定年前の50代、目前に迫る老後生活に、様々な期待を寄せている人も多いのではないでしょうか。

悠々自適な老後生活は、みんなの憧れでもありますよね。

最近では、60歳以降も仕事を続けていく人が増えています。仕事は生きがいでもありますし、生活のためでもあります。元気で長く働けるのであれは、それに越したことはありません。

残念なのは現役時代と比較すると、給与が減る場合が多いということです。60歳で退職し再雇用という形式で仕事を続けるため、給与体系が変わってしまうのです。

働けるだけありがたい・・・確かにそうかもしれませんが、手取りが大きく減ると老後の生活もおろか、普段の生活も心配になりますよね。

私は新卒より証券会社にて21年ほど、個人のお客様中心に資産運用のコンサルティングに従事し、日本FP協会のCFP資格認定会員として活動しています。

本日は、定年前の50代が老後生活に向けて準備ができるよう、貯金の状況を確認し、貯蓄がいくら必要かについて見ていきます。

老後は「2000万円」で足りるのか

老後2000万円問題は、みなさんご存じかと思います。

「老後に2000万円必要」と騒ぎになった、あの2000万円問題です。本当に2000万円で大丈夫なのでしょうか。

この2000万円の根拠ですが、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯の老後の収支から、計算されているのはご存知でしょうか。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」に資料が掲載されていますので、この高齢夫婦世帯の毎月の収支を見ていきましょう。

  • 収入:20万9198円
  • 支出:26万3718円

毎月の赤字は5.5万円になります。老後を30年と仮定した場合、下記のような計算になり赤字が発生します。

  • 5.5万×12か月×30年=1980万円

この計算が2000万円の根拠です。

ただし、この2000万円の中には含まれていない費用があります。次ページをご覧ください。