定年前50代、貯金はいくらあれば老後に備えられるか

では貯蓄はいくらあれば、老後に備えられるのでしょうか。

住居費用と介護費用を準備する場合を考えてみましょう。住居費用は30年間分で計算しています。

介護費用のみを準備する場合

2000万円+(介護費用)1000万円~2000万円・・・合計必要額 3000万円~4000万円

住居費用(毎月5万円)を準備する場合

2000万円+(住居費用)1800万円・・・合計必要額 3800万円

介護費用と住居費用(毎月5万円)を準備する場合

2000万円+(住居費用)1800万円+(介護費用)1000万円~2000万円・・・合計必要額 4800万円~5800万円

どうでしょうか。住居費用の30年は長すぎるとお考えの方は、20年で計算してみても構いません。準備する金額は、20万円でも相当大きくなります。

賃貸に住む予定の人は住居費用が必ず必要になります。また高齢化社会では介護の必要も考えた方がよいでしょう。

そう考えると、上記の計算は決して絵空事ではなく、自分が将来必要とする金額かもしれません。老後は何に費用が必要で、準備しておいた方がよいか、考えておいた方がよさそうです。

定年前50代の貯蓄額はいくらか

では、今の50代がどの程度の貯金を保有しているのか、総務省による「家計調査報告(貯蓄・負債編)二人以上の世帯2020年7月~9月期」をもとにみてみましょう。

こちらのデータによると、50代の平均貯蓄額は下記の通りとなっております。

  • 貯蓄現在高平均:1786万円

〈内訳〉

  • 通貨性預金:579万円
  • 定期性預金:489万円
  • 生命保険など:409万円
  • 有価証券:247万円

これに対して負債額は682万円となっており、貯蓄と負債を相殺すると純貯蓄としては、1104万円となります。

あくまで中央値ではなく平均値であるため、全体的にぶれてしまいますが、50代は子育てや住宅ローンの返済等が落ち着き貯蓄しやすい年代でもあります。

このことから50代は老後資金作りの絶好のチャンスといえるでしょう。