目標ありきで計画を立ててしまう

貯金を途中でやめてしまう人の中にはモチベーションが保てないという人もいますが、なんとなく決めた目標だとモチベーションを維持できないのが人間というものです。

自動車関連企業で働くCさんは、若いながらも老後に不安を覚えて貯金を始めようと考えた一人。近年のいわゆる「老後2000万円問題」で不安になり、「自分は老後資金をしっかり貯めていけるだろうか、2000万円を達成できるだろうか」と心配になったと言います。

しかし、結果としては4か月ほどで貯金に対する意識が薄れ、どうしても目先のことに気持ちが向いて無駄遣いが増えたうえ、貯金の習慣は消えてしまったのだそう。

「最初の頃は『貯金しなきゃ』と焦っていたけれど、時間が経つにつれてその焦りも消え、老後に対する不安も薄れてしまった。心の中では『老後の蓄えがなくてまずいかも』という意識はあったものの、まだ時間があるから…と貯金から意識が遠のいてしまった」と話します。

これは誰にでも起こりうることです。ずっと先の豊かさのために今我慢して節約しながら貯金するとなると、そのモチベーションを維持するのは非常に困難。しかし、人間は目先の利益に弱い生き物だから仕方ないことなのです。

これもしくみ化・習慣化してしまうことで解消できます。財形貯蓄や個人型確定拠出年金「iDeCo」のような給与天引きの制度を活用したり(注)、自動入金サービスを使って給料日の翌日には給料の1割を貯金用口座に移動するなど、意識しなくても自動でお金が貯まる仕組みを作るのがポイントですね。

注:iDeCoの掛金の払込方法には「事業主払込」と「個人払込」があります。「事業主払込」が給与天引きに当たりますが、勤務先が「事業主払込」の制度を採用しているかどうか確認が必要です。