「老後資金」を考える
結果として、60代の純貯蓄額は約1906万円となり、2000万円に近い金額であることが分かりました。ただ、これらはあくまでも平均値。
データの平均値であるため、一部には富裕層の人、相続・贈与などがある人も含まれます。そして世帯数の分布を見てみると、貯蓄ゼロ、もしくは貯蓄100万円以下といった層も一定数存在するのです。
よって、多くの人が老後2000万円問題をクリアできている、と期待するのは難しいといえます。
平均値で60代の純貯蓄額が2000万円近いというデータは危険なのかもしれません。実は厚生労働省の資料によると、生活保護の受給者が65歳以上に多く、「高齢者の資産格差」の実態がうかがえます。
事情は人それぞれですが、現役世代の頃の資産形成や収入の格差、退職金受け取りの有無などが大きな要因となっていることが考えられます。