『ベイビー・ドライバー』(2017)

iPodで音楽を聴きながら、同時にとある人物のエキサイティングでクレイジーな日々の一部を観ている気持ちになれる、劇伴もストーリーもノリノリの1作品です。

これまでに紹介した作品と比べると知る人ぞ知る作品かもしれませんが、音楽と映像や物語のコラボレーションが素晴らしいと、評価を得ている映画の1つといえるでしょう。

特に、流れる音楽と連動して、主人公のベイビー(アンセル・エルゴート)のドライブテクニックが披露される場面は、映画館でなく小さい画面を通して観ているだけでもテンションが上がること間違いなし。自分もベイビーが運転する車に乗っているような気分が味わえます。

『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』(2014)

子どものころ、特定の男の子だけが、ある一定の期間だけ出すことができるハイトーンボイスで、”天使の歌声”ともいわれるボーイ・ソプラノ。その素質を持っていながら、複雑な家庭環境に育ち、学校でも問題児として扱われていた少年ステットが主人公の映画です。

ステットは、ある出来事をきっかけにアメリカの名門合唱団に入ることになり、そこで厳しい指導者やライバルといえる存在と出会い、歌うことに魅了され、練習を重ねるうちに、自分の道をみつけていく物語です。

指導者のカーヴェルを演じたダスティン・ホフマンが、いずれ必ず別れを告げることになる”声”を持つ少年たちに、未来を語るクライマックスの場面は、他では味わえない神聖な空間に包まれたシーンになっています。そのあとに続く合唱団の晴れの舞台と、ステットの歌声に魅了され、心が浄化される1作品です。

『夜明け告げるルーのうた』(2017)

映画『夜は短し歩けよ乙女』(2017)や、アニメ『DEVILMAN crybaby』(2018)、『日本沈没2020』(2020)などを手掛けた湯浅政明監督作品で、本作はオリジナルアニメーション映画です。

心を閉ざした中学生の少年、カイが、人魚のルーと出会うことで自分の好きなものや好きなことを素直に口に出せるようになり、ルーや周りの人たちに本当の気持ちを伝えて町の危機を救います。

魅力は、谷花音さんが演じた、とてつもなく可愛らしいルーのキャラクターと、斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」を心の叫びとして歌い上げた主人公カイ(下田翔大さん)の歌唱シーン。この映画を観た人へのご褒美ともいえそうな感動が味わえますよ。