前述した通り、街中にある(個人経営の)焼肉店が閉店したという類は含まれていませんが、全体と比べても相対的に見て大健闘しています。言われてみると確かに、「叙々苑」や「牛角」など有名焼肉チェーン店が大量閉店に踏み切ったというニュースは聞いていない気がします(注:通常の閉店・出店は実施している模様)。
しかし、この未曾有の事態下で、なぜ焼肉店が相対的に健闘しているのでしょうか。
焼肉店に普及した無煙ロースターでスピード換気
各種調査で大きな理由の1つとして挙げられているのが、焼肉店の各席にある排煙装置による換気で「密」を避けられるイメージが強いことです。
確かに、大量の煙を出す焼肉店では、コロナ禍以前から十分な換気が実行されています。特に、ここ数年間で広く普及した焼肉無煙ロースターは、焼肉の煙と一緒に店内の空気も外に排出する機能を備えており、大手企業の無煙ロースターの場合、何と約3分半で客席全体の空気を入れ替えていることが公表されています。
多くの飲食店が3密回避で四苦八苦している中、これは大きなアドバンテージになったでしょう。
2020年の売上高データが示す焼肉店の相対的健闘
この焼肉店の健闘ぶりは、実際のデータに如実に表れています。一般社団法人日本フードサービス協会が発表する各カテゴリーの推移を見ると、ファミリーレストランに属する「焼き肉」の売上高は、昨年10月~11月に2カ月連続で前年を上回りました。
この時期で同じように2カ月連続プラスだったのは、他にはファストフードに属する「洋風」だけです。ちなみに、ファストフードの「洋風」は、マクドナルドやKFCなどが属しています。