「とりあえず貯金しなきゃ」
「貯金しておけば大丈夫」
お金で悩んだり困ったりすると、貯金好きの日本人は「とりあえず貯金して備えよう」と考える方が大半ではないでしょうか。
この意識、実は最近変わりつつあるようです。新型コロナウイルスの影響で、生活スタイル、働き方もそうですが、お金についての考え方も変わってきています。
例えば、資産運用に取り組む人など、お金にも積極的に働いてもらおうと考える人が増え、資産運用時代へ変化しつつあるように感じます。
現に、国が税制優遇制度として作った制度のひとつに「つみたてニーサ」があります。つみたてニーサの加入率は2019年9月から2020年9月までの1年間で、特に20代、30代の加入率が約1.7~1.8倍に増加しました。
このように若い人を中心に、将来の生活費の心配などから資産運用に取り組む人が多い一方で、まだまだ資産の大半を貯金で考えている人もいらっしゃいます。
そこで今回は、FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)の視点から、貯金だけで老後は安心なのかを見ていきたいと思います。
50代、60代の貯金額はいくらか
まずはアラ還ともいうべき、50代、60代がいくら貯金を持っているのか見ていきましょう。未婚率が上昇していることも踏まえ、二人以上の世帯と単身者世帯の両方で確認していきます。
金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和元年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果」によると、金融資産保有世帯の貯金額は、下記の結果となっています。
50代
二人以上世帯
- 平均値:1574万円
- 中央値:1000万円
単身者世帯
- 平均値:1496万円
- 中央値:420万円
60代
二人以上世帯
- 平均値:2203万円
- 中央値:1200万円
単身者世帯
- 平均値:1930万円
- 中央値:845万円