中国製ワクチンといち早い経済回復で影響力拡大を狙う中国

活発化するワクチン外交

Roger Brown Photography / Shutterstock.com

新型コロナウイルス感染拡大が米国や日本など先進国で止まらない中、中国はワクチンの無償提供などいわゆる“ワクチン外交”を活発化させている。

今年に入って、中国の王毅外相はミャンマーとブルネイ、インドネシアとフィリピンの4カ国を歴訪し、中国国営製薬会社シノファームのワクチンを提供支援することなどを約束。

1月16日には、セルビアの首都ベオグラードにシノファームのワクチン100万回分が到着し、同国のブチッチ大統領が中国からの要人がいないにも関わらず空港でワクチンを出迎える姿があった。

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中国製ワクチンの安さは発展途上国には魅力的

既に、インドネシア、シンガポール、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス、UAE、エジプト、トルコ、バーレーン、ヨルダン、セルビア、ハンガリー、チリ、ブラジルが中国製ワクチンの導入を決定している。

米国や欧州の悲惨な状況ばかりが日本のメディアでは報道されるが、中国製ワクチンの導入を決定した国々や途上国でも、新型コロナウイルスは大きな被害を与えている。

欧米諸国のワクチンと比べると、安い値段で手に入る中国製ワクチンは発展途上諸国にとって魅力的である。また、各国とも新型コロナウイルスワクチンを早急に手に入れたいことから、中国のワクチン外交は発展途上国からは強く歓迎されている。

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執筆者

清和大学講師/ オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー、岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員を兼務。専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら