将来年金を繰下げたい人は事前準備が必要

将来年金を繰下げ受給したいと思う人は、定年退職してから年金を受給するまでの生活費を確保しておく必要があります。

これは決して少ない額ではありません。例えば毎月の生活費を25万円と仮定するならば、ざっと計算して5年間で1500万円、10年間なら3000万円の準備があらかじめ必要です。

何年間の生活費を準備するかは将来何歳まで働いて、年金を何歳から受給したいかによりますが、こんな大金は簡単に準備することはできません。

そのため、働いている今から、コツコツと積み立てていく必要があります。

例えば、最近人気のイデコ(個人型確定拠出年金)を活用するのもおすすめです。

冒頭にお話しした年金制度改正法において、2022年5月から、これまでイデコは積み立てできる年齢が60歳未満だったものが、65歳未満に引き上げられます。

さらに受給開始年齢も60歳~70歳だったものが60歳~75歳に拡大されます。

積み立てた資金は年金を繰下げている間の生活費に充てられそうですね。

ただし、イデコは職業や勤務先によって毎月の積み立て可能額の上限が定められていますので、イデコだけでは十分な貯蓄ができない可能性があります。

そのため、イデコにプラスして個人年金保険や変額保険などの貯蓄性ある保険商品や投資信託で運用するとよいでしょう。