「60代で資産が増える」とは限らない
「60代で貯蓄ゼロ」という世帯の存在に加えて、老後の前に知っておくべきデータをもう1つご紹介しましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果」によると、60代における「前年度と比較した資産の増減」に関する調査結果は、以下の通りとなっています。
- 増えた・・・13.7%
- 変わらない・・・48.3%
- 減った・・・32.9%
- 無回答・・・5%
約半数が「変わらない」と答えている一方、「減った」の割合は「増えた」の2倍以上となっています。退職金や年金を手にする人が多い世代であるにも関わらず、なぜ資産が減ってしまうのでしょうか。その理由も、あわせてみてみましょう。
資産が「減った」理由 トップ3
- 定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから・・・53.2%
- 耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから・・・31.2%
- 株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから・・・23.1%
資産が減った世帯の約半数が、退職に伴う定期的な収入の減少により、金融資産に手を出しているようです。そのほかにも、さまざまな事情により貯金を切り崩しながら暮らす世帯の存在が浮き彫りになりました。