機器のみで大量の音楽を聴くことができるiPodに対し、当初は音質などへの不安の声も上がっていました。しかし、手軽にたくさんの音楽を楽しめるiPodは人々の支持を受けて市場を拡大。パソコン経由で手持ちのCDをiPodにダウンロードするほか、専用のサイトから音楽を購入するスタイルも21世紀に入り一気に浸透していきました。
好きなアーティストのアルバムを買うためにお小遣いを貯め、発売日にCDショップへ自転車を漕いで行ったり、友人とCDの貸し借りをするといった風景は、はるか昔の話。
今の子どもたちは生まれた時から「パソコンやスマートフォンで音楽を聞く」というのが当たり前です。さらに、CD以前のレコードやカセットテープにあるA面とB面の存在を知っている子はごくわずかでしょう。
YouTubeで流行曲を知る
CDからダウンロードへと音楽の聴き方の主役は移っていきましたが、現在はダウンロードも過去のものになりつつあり、ストリーミング配信やサブスクリプションサービスが主流となっています。
YouTubeやApple Music、Amazonプライム、Spotify のようにインターネット上のデータにアクセスし音楽を聞くのがストリーミング配信で、定額制で好きなだけ音楽を聞けるといったサービスがサブスクリプションサービスと呼ばれています。
特に子どもにも馴染みのあるYouTubeは、音楽でも流行の発信源となっています。「ユーチューブで再生回数がトップクラス」「芸人がパロディしていた」など、音声と映像両方の利点を活かし、YouTube上で人気を集めている曲は瞬く間にクラスや学校で広まると、筆者の子どもたちも実体験をもとに教えてくれたほどです。
その昔、歌手のミュージックビデオを見るのはそう簡単ではありませんでしたが、YouTubeにはミュージシャンの公式サイトもあり、子どもでもミュージックビデオを見る機会が増えています。テレビの音楽番組でも人気歌手が登場した際に「再生回数」「ダウンロード数」が画面で紹介されることは珍しくありません。