2020年12月に「令和元年 空き家所有者実態調査(注1)」の結果が国土交通省から発表されましたが、それによると半数の空き家で腐朽や破損が見られたといいます。また、今後5年程度「空き家にしておく」という回答が約3割を占め、理由としては「物置として必要」(60.3%)、「解体費用をかけたくない」(46.9%)の割合が高くなっています。
そこで今回は、空き家が社会問題化する実態と、空いた実家を有効活用する方法について解説します。
(注1)調査対象:「平成30年住宅・土地統計調査」(2018年10月1日現在)の調査区から無作為に抽出した調査区内において、「居住世帯のない住宅(空き家)を所有している」と回答した1万2,151世帯。有効回答数:5,791世帯。調査期間:2019年11月~20年1月。
実家の引き継ぎ問題をどうする?
40代、50代ともなると、実家の引き継ぎを考え始める方も多いでしょう。
私の実家はあまり資産もありませんので、そこまでの相続対策は必要ありませんが、それでも築40年程度の実家は引き継ぐことになると思います。
引き継いだ実家に誰かが住み続けてくれるなら何も問題はありませんが、もし相続を受けた後に実家の使い道がなくなってしまえば、固定資産税だけを無駄に支払い続けることになってしまいます。
おそらく、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
もちろん、「実家を賃貸に出して家賃を徴収すれば良いじゃないか!」という意見もあることでしょう。しかし、全ての実家が東京都内など賃貸需要の多い地域に建っているわけではありません。例えば実家が田舎にある場合などは、賃借人を探すだけで大変苦労することでしょう。
そこで本稿では、
- 空き家が社会問題化する実態
- あなたが将来的に実家を相続した時に、その実家をそのまま放置しておいたらどうなってしまうのか?
- 空いた実家を有効活用するための5つのアイデア
- 実家を積極的に運用して稼ぐ方法
について、具体的なノウハウを解説していきたいと思います。
「空いた実家をどう活用すれば良いかわからない・・・」とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください!
空き家が社会問題化する実態
初めに、空き家が社会問題化している実態についてお話しします。
2018年時点で、日本には約6240万戸の住宅ストック(既存住宅)があります。そして、世帯数は5400万世帯です(図表1参照)。
このデータから日本の既存住宅の空き家率を計算すると、約13.6%となります。