誰もが気になるお金と言えば、貯金、年金、退職金などが代表的ですね。なかでも今回は、退職金についてお話ししたいと思います。
私は大学卒業後、大手証券会社、不動産投資会社で勤務し、10年以上にわたり、個人のお客様の資産運用に関わってきました。
様々な職種の会社員の方や年配の方とお話ししていると、退職金の額によって老後の生活設計は、かなり異なるということがわかりました。
今回は、学歴格差という観点から、会社員の退職金について見ていきたいと思います。
会社員の退職金、学歴格差はあるか
まずは、会社員の学歴ごとに、平均の退職金を見ていきましょう。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(一時金・年金)の支給実態」から、最終学歴ごとの「退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)」は、以下のとおりです。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
高校卒(現業職)
- 定年:1159万円
- 会社都合:1118万円
- 自己都合:686万円
- 早期優遇:1459万円
皆さんの想像どおりだったでしょうか。退職事由ごとに見ると、大卒・大学院卒の退職金額が、いちばん多くなっています。また、管理・事務・技術職の高校卒と大学・大学院卒で比較してみると、大学卒の方が高くなっています。
また、余談にはなりますが、退職金額に着目してみてください。大学・大学院卒の定年でも2000万円を割っています。退職金が2000万円以上受け取れる人は、平均以上に支給されていると言えそうです。