「なかなかお金が貯められない」と悩むとき、「もっと収入があれば」と考えることはありませんか。家族の人数や年齢構成により出費の多さは違うと思いますが、年収が高いほど貯めやすそうな気がします。国税庁が2020年9月に公表した「令和元年(2019年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は436万円という結果でした(2019年12月31日現在)。

また、世帯収入別の貯蓄額のデータによると、年収600万円台になると平均値で貯蓄1,000万円を達成していることが分かります。ここでは、年収と貯蓄についてのデータを参照しながら、収入と貯蓄について考えていきましょう。

世の中の貯蓄額って、どれくらい?

まずは世の中の一般的な貯蓄事情を見ていきましょう。総務省の「家計調査報告」のデータ(※)によると、各収入区分の貯蓄額は以下のようになりました。

二人以上世帯(勤労者世帯)の収入区分と貯蓄額

  • 年収200万円未満:847万円
  • 年収200万~250万円:800万円
  • 年収250万~300万円:762万円
  • 年収300万~350万円:809万円
  • 年収350万~400万円:778万円
  • 年収400万~450万円:861万円
  • 年収450万~500万円:958万円
  • 年収500万~550万円:829万円
  • 年収550万~600万円:948万円
  • 年収600万~650万円:1,072万円
  • 年収650万~700万円:1,278万円
  • 年収700万~750万円:1,425万円
  • 年収750万~800万円:1,359万円
  • 年収800万~900万円:1,537万円
  • 年収900万~1,000万円:1,612万円
  • 年収1,000万~1,250万円:2,036万円
  • 年収1,250万~1,500万円:2,460万円
  • 年収1,500万円以上:3,673万円

貯蓄額には銀行の預貯金の他に、保険契約や有価証券なども含まれています。

年間収入が高い方が貯蓄額は上がっていくのではと思われがちですが、平均年収400万円台や、それより低い収入区分でも、しっかり貯めているという印象です。そして年間収入600万円を過ぎると貯蓄額は1,000万円を維持しています。年収が高くなると納税額も増え、一般的に生活水準も上がって支出も増えがちですが、貯蓄1,000万円を考える場合、収入600万円が1つの目安になりそうです。