定年60代、貯金2000万円で老後不安はないか

さて、前項の最後で計算式に含まれていないものがあると申し上げました。それはどのようなものでしょうか。

まずは、こちらをご覧ください。

金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料より抜粋

こちらが先程お話しした無職高齢世帯の収入と支出の内訳になります。

ご覧になってお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、支出の中で議論されていない項目が2つあります。

一つ目は住居費についてです。

グラフによると、住居費は1万3656円となっています。

持ち家だとしても、どうでしょうか。例えば、管理費・修繕積立金の高額なマンション等に住んでいれば、金額は変わってくるはずです。

賃貸住まいの人であれば、地域によっても異なりますが、個人的な意見で言わせていただくと、安くても月に6万円はかかるでしょう。その場合は追加で2000万円以上の資金が必要になる計算になります。

2つ目は介護費用です。世帯毎に状況が異なるため、一概には言えませんが、仮に有料老人ホームに入居する場合、数百万円の入居費用がかかります。更に月々の費用がかかる場合もあります。

住居費用と介護費用に関しては、各世帯で異なるとは思いますが、政府が提言した2000万円では、かなり心許ないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。