みなさん、老後の備えは順調に進んでいますか?
国民年金の制度には、受給額のアップにつながるものが存在します。それらを上手に活用することで、老後に対する安心感をさらに高めることができるのです。
「必要な老後資金は用意できている」「まとまったお金をもっている」といった余裕のある方は、国民年金の制度の活用を検討し、より万全の備えをしておきましょう。
さっそく、制度の活用方法と注意点をおさえていきます。
その1「繰下げ受給」でもらえる額がアップ!
加入が義務である「老齢基礎年金」と会社員がもらえる「老齢厚生年金」は、最長70歳まで受け取る時期を繰下げることができます。繰り下げた場合、繰下げ請求時の年齢に応じて受給額がアップします。「しばらくは年金がなくても生活できる」という方は、受け取る時期を遅らせるのも1つの方法です。
なお、繰り下げた場合の受給額の増額率は、以下の通りとなっています。
繰下げ請求時の年齢と増額率(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
- 66歳0カ月~66歳11カ月・・・8.4~16.1%
- 67歳0カ月~67歳11カ月・・・16.8%~24.5%
- 68歳0カ月~68歳11カ月・・25.2%~32.9%
- 69歳0カ月~69歳11カ月・・・33.6%~41.3%
- 70歳0カ月・・・42.0%
参考:日本年金機構「老齢基礎年金の繰下げ受給」
2020年4月時点での老齢基礎年金の受給額は、年間78万1,700円※(満額)となっています。そのため、もし70歳まで受給開始を遅らせた場合、受け取る年金額は年間32万8,314円(781,700円×42.0%)も増えることになります。(※20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方の場合)
さらに、2022年4月以降は75歳まで繰り下げできるようになる予定です。詳しい注意点については、日本年金機構の「老齢基礎年金の繰下げ受給」をご覧ください。