教育費の準備「傾向と対策」

子育て世帯の支出は、「教育費」だけではありません。住宅ローンや固定資産税、老後を見据えた貯蓄…。そんな中、やりくりに失敗して「虎の子貯金」に手をつけてしまうことは、できるだけ避けたいもの。そんなお悩みがある人は…

お金に「教育費」のラベルを付ける

「ついつい貯金に手が出ちゃう」というお悩みを抱えていらっしゃる場合、「教育費専用」の口座を作って貯めていく、学資保険を利用するなどの方法を検討なさることをおすすめします。

将来の使い道によってお金を「色分け」していくことで、貯まり具合が見えやすくなる効果があるからです。

「長女の大学進学費用は、学資保険で準備する」
「2人きょうだいの高校までの学費は、この通帳に貯めて準備をしていく」

こんなふうに、「お金にラベルを貼る」ことで、たいせつな貯蓄を途中で引き出したくなった際に、気持ちにブレーキをかかる効果が期待できそうです。

「奨学金」の活用

■貸与式奨学金

大学以外の、短大・専門学校なども含め、高校卒業後の学費については、貸与式奨学金の活用を検討されている方も多いかと思います。貸与式の奨学金は、借金であり、就職後のお子さんご自身が返していく必要があるお金です。利用を検討したときは、親子でていねいに話し合いましょう。

最終的に貸与式の奨学金を利用することになった場合は、社会に出る前にマネーリテラシーを学ぶ良い機会であると捉えていけるとよいですね。

■国の「高等教育の修学支援新制度」

「幼児教育・保育の無償化」、私立高校授業料の実質無料化など、ここ数年で、高等学校以下の教育費の負担が大きく軽減されるようになりました。

高校卒業後の学費支援についても、2020年に「高等教育の修学支援新制度」がスタート。大学・短大・高等専門学校、専門学校などの授業料等減免と給付型奨学金の2本立てとなっています。

こちらの制度は、所得制限に加え、進学後の学習意欲(成績、取得単位数、出席率など)次第で支援が打ち切りになる可能性がある「厳しめ」の制度です。利用を考えた場合は、前述の貸与式奨学金同様、事前のリサーチ、および家族での話し合いが必要かと思われます。