株式市場の振り返り-日経平均株価は約1ヶ月ぶりに続伸となるが、商いは低調

2016年10月4日(火)の主要指標 カッコ内は前日終値比

  • 日経平均株価 16,735円(+136円、+0.8%) 続伸
  • TOPIX 1,340.2(+9.4、+0.7%) 続伸
  • 東証マザーズ総合指数 956.0(+4.3、+0.5%) 続伸

東証1部の出来高は15億6,282万株、売買代金は1兆7,582億円(概算)となりました。前日より小幅増加となりましたが、力強さには欠けています。日経平均株価は続伸となったものの、この商い状況を見る限り、本格的なリスクオンには至っていません。なお、日経平均株価が続伸となったのは、9月5~6日以来約1ヶ月ぶりでした。1ヶ月間も続伸がなかったこと自体が異様と言えますが、明日は2ヶ月半ぶりの3連騰へチャレンジとなります。

一方、東証マザーズの出来高は7,796万株、売買代金は1,049億円となり、前日を上回っています。特に、売買代金は約1ヶ月ぶりの1,000億円超となるなど、徐々に資金流入の動きが出ているような雰囲気です。値嵩株やIPO銘柄の売買が活況なためと見られますが、持続性があるかどうか注目です。

主力株は総じて上昇が目立つ中、決算発表の小売り銘柄は高安まちまちに

個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、TDK(6762)、信越化学工業(4063)などが上昇し、株価指数上昇を後押ししました。また、オリンパス(7733)が大幅上昇となり、前日下落したソフトバンクグループ(9984)も小幅反発となっています。さらに、円安進行を背景に、トヨタ自動車(7203)など自動車株も堅調に推移しました。一方、前日に決算発表を行ったしまむら(8227)は値を下げ、減益見通し報道が出たユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)も大幅安で終わりました。また、任天堂(7974)が下落し、住友不動産(8830)も安く引けています。

新興市場では、そーせいグループ(4565)やサンバイオ(4592)など医療バイオ関連銘柄が下げましたが、ノーベル賞受賞を材料に、一部の銘柄には買いが入っています。他には、ALBERT(3906)やCRI・ミドルウェア(3698)が大幅安となり、串カツ田中(3547)も小幅続落となっています。ただ、全体的には新興市場らしくない静かな値動きに終始したと言えます。

本日(10月5日)の注目点-日経平均株価は約2ヶ月半ぶりの3連騰を目指す

前段でも書きましたが、5日(水)は日経平均株価が約2ヶ月半ぶりの3連騰を目指します。2ヶ月半も3日続伸がなかったこと自体驚きですが、その前回は6連騰でした(7月11日~19日)。ボックス圏相場が続いている株式相場が上昇基調に回帰するかどうか、非常に重要になりそうな気がします。ちなみに、その前々回の3連騰以上は、6月27日~7月4日の同じく6連騰でした。3連騰の壁を超えると、長期の続伸が待っている可能性があります。

さて、上期の決算発表(2月期)が始まっている小売セクターは、発表後に株価が着実に反応しています。必ずしも上昇ばかりではありませんが、決算数字への株価の反応が大きいことは、今後の相場活況への期待材料となります。小売セクターには引き続き注目していいでしょう。

そのようなことを言っているうちに、何時の間にかスルスルと円安になっています。ドル円レートで103円、ユーロ円レートで115円を伺う状況になっており、輸出関連銘柄への関心も高まるでしょう。ただ、週末に米国雇用統計の発表を控えているため、円安メリット銘柄に大きくベットするのは危険かもしれません。過度な深追いは禁物と考えられます。

青山 諭志