退職金は本当にもらえるのか 

さて、ここまで退職金額について見てきましたが、退職金は絶対に貰えるものではありません。先ほどの東京都産業労働局の調査によると、中小企業の24.2%は退職金制度がないということが明らかになっています。また、先述した日本経済団体連合会の「退職金・年金に関する実態調査結果」の2012年9月度の調査と比較してみると、大企業においても1992年には2,637万9千円だった退職金が、2012年には2,491万7千円、2018年には2,255万8千円へと減少傾向になっているのです。

さらに公務員に関しても他人事ではありません。内閣人事局「退職手当の支給状況」を平成26年度と平成30年度で見比べてみると、国家公務員の一般行政職員等の平均定年退職金額は、2,225万9千円から2,152万3千円へとここ数年だけ見てみても減少傾向にあることが分かります。これは民間企業の退職金が減少傾向にあるにも関わらず公務員の退職金水準は高すぎると引き下げへの圧力がかかっているからであり、このような事情からも今後民間企業の退職金が減少すれば公務員もその分減少していくと考えてよいでしょう。

このような退職金の現実を見てみると、10年後・20年後に自身が退職金を受け取る際一体退職金はいくらになっているのか、どこまで減ってしまっているのか不安になりますよね。退職金額を大幅に期待できる時代ではなくなってしまったということなのです。