コロナを盾に・・・カットの「お直し」常習犯?

理髪店でのハプニング

Cさんは、いわゆる「1000円カット」とよばれる、カット専門店で働く美容師。その日は、来店客が多く、Cさんは休憩をとる暇もなく働いていました。何人目かのお客様のカットが終わった後のことです。次のお客様を案内しようと準備をしていたところに、一人の年配の女性客がやってきました。

Cさんの店は先にチケットを買ってから、順番に椅子に座って待つシステム。しかし、女性は、チケットを買わずまっすぐにCさんのほうに歩いてきました。そしていきなり、「『お直し』をお願いしたいの」と言いだしたのです。

『お直し』とは、施術が気に入らなかった場合に、数日以内ならば手直しをしてもらうことができるという美容院ならではのサービス。しかし、通常1000円カットのようなお店では『お直し』をお願いする人はまずいません。はじめてのことにCさんは戸惑いました。

女性は続けます。「少し前にね、こちらのお店で切ってもらったの。でも2週間ほどしたら、毛が伸びて形が崩れてきちゃって。その時に『お直し』をお願いしようと思ったんだけれど、コロナのこともあって、なかなか外に出られなくて。それで1か月ほどたってしまったんだけれど、今日やっと来ることができたのよ。次はいつになるかわからないし、とにかく今日『お直し』して頂戴」

Cさんはびっくりしました。1か月以上たってから『お直し』?いや、そもそも、女性が『お直し』をしてほしいと思い立ったのも、カットをしてから2週間後。その時点で、普通に『お直し』をしてくれる美容院でも、お断りをするレベルの話じゃないのか?当然Cさんは、丁重にお断りをしました。

すると女性客は激昂。「『お直し』に期限があるなんて聞いてない。たった2週間で崩れてくるなんて、アナタたちの落ち度じゃないの?遠路はるばるここまで来たのよ。やってもらうまで帰れない」と、Cさんに向かってまくしたてたのです。

結局、連絡を受けてやってきた責任者に、「面倒だから、適当に整えて出て行ってもらえ」と耳打ちされ、Cさんは渋々その女性を『お直し』し、退店いただいたそう。

「でも、よくよく考えたら、あれは常習犯のような気がします。1回だけお金を払い、あとは限界まで繰り返し『お直し』をさせてお金を節約するというような…。このご時世、客商売をしているところは、みんな苦しいんです。そういうので節約なんて、ホント、勘弁してほしいですよ」