息子を通じて「マナーの注意」をしてみたら・・・。

Cさんは、「息子に間に入ってもらおうとして失敗した」と嘆きます。

Cさんの家には息子さんが2人。自分が今までそうしてきたという経緯もあって、長男が結婚したときには「夫婦に何かをあげたときは、夫婦両方がお礼を言うこと」を徹底させたといいます。

つまり、Cさんが長男にお祝いなどを預けたとしたら、お嫁さんはあとから電話をするなり、実際に顔を見せるなりして、重ねてお礼を言わなくてはいけないというルールです。長男のお嫁さんは、「とてもかしこい人」だったので、一度教えるときちんと守っていたとのこと。

しかし、数年後次男のところに来たお嫁さんは、そのへんの気が全く回らない様子。

次男に何かを預けても、会いにも来なければ電話も来ない。後日顔を合わせたときにすら、お礼の言葉もないのです。たまりかねて、Cさんから電話をし、「昨日、息子から〇〇は受け取ってくれた?」と聞くと、そこではじめて「ああ、受け取りました。ありがとうございます」という具合。

モヤモヤしたCさんは、次男に「お嫁さんに、物をもらったら、ちゃんとお礼の連絡をくれるように伝えてくれない?」とお願いしたのです。しかし、数日後に、次男に話を聞いてみるととんでもないことに…。

「大げんかの末、お嫁さんが子どもを連れて実家に帰ってしまったというのです。どうやら、原因は私の『お願い』。どうやら次男が『母さんにこんなことを注意された。俺に恥をかかせる気か!』とお嫁さんをきつく叱ったみたいで…」とため息をつくCさん。

「そんな風に言われたら、誰だっていい気分はしませんよ。お嫁さんにはすっかり嫌われちゃったでしょうね…。次男には、やんわりと注意するということを、教えておけばよかったです」

さいごに

永遠に解決しないともいわれる嫁姑問題。ただ、それをややこしくするのは、間に入る「息子」であるケースも、結構あるのではないでしょうか。

結婚した息子は、もう「他人の夫」であると考えるべきかな、と筆者は思います。まっとうな男性であれば、母より妻を大切にするでしょう。

「つかず離れず」

お互いに心地よい関係を保っていくために一番たいせつなのは、やはり「適切な距離感」なのかもしれません。

犬養 のぞみ