2020年も残すところあとわずか。コロナ禍で家計を取り巻く環境が激変し、お金の使い方や貯蓄のスタイルについて改めて見直しをした、というご家庭も多かったかと思います。そんな年の瀬。今回は、「貯蓄家」と「浪費家」の境界線、にフォーカスしていきます。

お金を貯めるのが上手な「貯蓄家」タイプと、ついつい使ってしまう「浪費家」タイプ。この違いって、一体どこにあるのでしょうか。

世間が考える「浪費家」「貯蓄家」

さいしょに、松井証券株式会社が実施した「老後資金に関する調査(※)」の、貯蓄に関する設問の結果をごらんください。世の中が考える「浪費家」「貯蓄家」のイメージが明らかとなっています。

ここでの基準は、「年収に対する貯蓄の割合」です。年収のうち何割くらい貯めることができるかという点で「浪費家」「貯蓄家」のイメージを集計しています。回答結果は以下の通りです。

  • 「浪費家」…貯蓄が年収の10%以下
  • 「一般的」…貯蓄が年収の11~29%
  • 「貯蓄家」…貯蓄が年収の30%以上

※松井証券調べ(データは中央値で集計)

年収のうち、1割しか貯めることができなければ浪費家だというイメージがあるようです。年収400万円であれば、貯蓄額が0~40万円に該当します。

ただし、家族の人数や税金・社会保険料は考慮されていない状態でのイメージですので、単純に年収に対する割合だけでの判断は難しいケースもあるでしょう。それでも毎年、貯蓄の計画をする際に、1つの目安にしてみてはいかがでしょうか。

【参照】
※「世代別の老後資金に関する実態を発表」松井証券株式会社調べ(2020年10月22日発表)PRTIMES
調査方法:インターネット調査(調査時期:2020年9月)
調査対象:子どもと親のいる全国の20-60代男女、計800 名(男性400名/女性400名)

浪費してないけど「なぜか貯められない」・・・

このような世の中のイメージを知ったとしても、実際には「贅沢していない」「貯めたいけれど、なぜか貯まらないだけ」ということはないでしょうか。無駄遣いしているつもりもなく、贅沢でもなく。「浪費なんてしていない」けれど「貯められない」というケースです。

ここから「なぜか貯められない」という人から聞いたエピソードを集めてみました。

 その1「クレジットカードの利用額が大きい」

クレジットカードの利用額が、収入と比べて大きいというケースです。
「貯めたくても毎月結局、ギリギリの生活になってしまう」というAさん。「同僚はもっと買い物をしているし、悠々とした生活を送っている」と言います。

実際の所は、クレジットの請求分が大きく、毎月大きな金額が引き落とされていたのです。
「なぜ自分は貯まらないのかわからない」という場合はクレジットカードの請求額に注目してみましょう。

その2「預金を引き出す→使いきる」のくり返しで赤字に。

会社員のBさんは財布の中身が無くなってから口座から下ろすというスタイルで、決して多額の現金を持たない主義です。なのにお金を貯めたくても、どうしても毎月ぎりぎりの生活になるといいます。

「必需品だけ。そう判断しながら買っている」とのことですが、1カ月分のレシートを見直してみると、お財布の中にお金があるとその分だけ使い切ってしまうことが分かりました。何回も預金を下ろして財布の中身を使い切って、というパターンを繰り返していたのです。

この場合、1か月分の出費を認識して、「代わりに他の出費は抑えよう」と自分にブレーキをかけることがポイントとなります。

その3 「タイムセール」に弱い

通販サイトから届く、セールのお知らせメール。なかでもタイムセールはその名の通り、特価で買える時間が限られています。「買うなら今!」と、衝動買いに繋がってしまうケースが多いようです。「今なら何%引き」といった表示に、つい心が躍ってしまう人もいるでしょう。

でもそれ、今すぐに必要でしょうか?ほかの必需品を比べてどちらが優先度が高いかを検討してみましょう。

また、通販サイトをよく利用している場合は、過去の購入履歴などから、「おすすめ商品」の広告表示が出てくることもあります。購買意欲をうまくそそるこれらの広告を見て、さらに衝動買い・・・、というループにハマったら危険です。

ネット通販で買い物をする日を決める、さらには、「サイトを見ない曜日を決める」といった工夫を意識的に行うことで、衝動買いを防ぎ、節約に繋げることができるかもしれません。

その4 「捨てられない」

衝動買いしたアイテムが、手つかずの状態で放置されていることはありませんか?「そのうち着るかも・使うかも」と捨てきれないパターンです。

服も物も、「無駄だったな」と気づいて捨てる際、「もったいない」という気持ちが心に残って、次の無駄使いのストッパーになることがあります。捨てられずにため込んで、再び無駄使いしてしまうという悪循環には注意しましょう。

また、安く上げようとして100円ショップによく通っていると、結局、かなりの支出になることもありますよ。

「貯蓄家」を目指すには?

お金を貯めるには、貯めるしくみがうまく回っていくように、マイルールを作っていくことがオススメ。給与天引き貯金が分かりやすい例でしょう。

その他、貯蓄専用の口座を作ってお金を分けていく方法もおすすめです。引き落とし予定の固定費(光熱費や通信費など)や、1カ月で見込まれる買い物費以外のお金を貯蓄専用口座に移動させて引き出さないように決めます。

上記(2)のBさんは、お給料が振り込まれたらすぐに貯金分の3万円を貯金口座に移すこと決めています。さらに、すべての通帳は月に1度記帳し、1カ月の固定費を正確に把握しています。の多さを実感できますし、今月だけで何回預金を引き出したのかも把握することができます。貯金口座のお金がしっかり残っていることも実感できたようです。

Bさんによると「最初は貯金用口座に移したお金も、少し使ってしまうことがあった」といいますが、「貯金用口座のキャッシュカードは持ち歩かず、自宅の決まった場所にしまっておくことにしました」とマイルールを設定。引き出したくても利用できない環境を自分で作りだしたのです。お金を管理する環境を整えることで貯金を継続できているといいます。

おわりに

思うようにお金が貯まらない・・・。そんな場合でも、家計を把握した計画的な支出を守ることで、無駄使いは防げるはず。

ちょっと注意が必要なのは、「貯まらない理由」が、わからないまま悩んでいるケースです。

まずは、おサイフの中身の整理、身の回りの断捨離といった、「片付け」を通じて、ご自身の持ち物を棚卸ししてみましょう。抱えていた課題点が、見つかるかもしれません。

日々の暮らしを客観的に見つめてみると、お金が消えていく理由がはっきりしてくるでしょう。

なかなかお金が貯まらない・・・人知れずそんな悩みを抱えている人は、来年こそ「貯蓄家」体質を目指して、ご自身に合った方法で「貯めるしくみ」を作っていきましょう!

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
<世代別の老後資金に関する実態を発表>年収に対する貯蓄の割合、10%以下は「浪費家」、30%以上は「貯蓄家」と認定!」松井証券株式会社

LIMO編集部