保険・通信費の見直し

生活費を節約する上で欠かせないのが固定費の削減です。固定費の中でも特に削減効果が大きいのが「保険」と「通信費」になります。

生命保険に加入している場合は、保障の見直しをしましょう。基本的に、子供が自立しているのであれば高額な死亡保障は必要ありません。死亡保険金は、残された配偶者の生活費と自分の葬式代がまかなえる程度で十分です。余分な保障を解約すれば保険料の削減にもなりますし、解約返戻金を老後資金に回すこともできます。

携帯電話も、格安スマホに変更するのがおすすめです。シニアになれば電話やメールをする機会が減るため、最低限のデータ容量のもので問題ありません。保険と通信費の見直しをするだけで、月1万円以上の節約になります。

孫へのプレゼントはほどほどに

先ほど紹介した高齢者世帯の生活費の平均では、交際費が2万5,749円と現役世帯と比べても高めになっています。これは、他の世帯への贈答品やサービスの支出などが含まれているためです。高額になる理由として考えられるのが、孫へのプレゼントやお小遣いなどでしょう。

可愛い孫の笑顔が見たいという気持ちもあるとは思いますが、際限なくプレゼントやお小遣いをあげていては、大事な老後の生活費が減るばかりです。プレゼントを渡すのは誕生日や入学祝いなど節目の時だけにしましょう。

モノへの執着を捨てる

年金暮らしをしていくには、モノへの執着を捨てて浪費を抑える必要があります。世の中には健康食品や健康器具、便利グッズなどシニアをターゲットにしたモノもあふれています。このようなものを買ってばかりいるのは老後の生活を圧迫する原因です。

できれば、老後を迎える前に家の片づけをして断捨離をすることをおすすめします。家にあふれたモノを処分することで、いかにムダなものにお金を費やしてきたのか気付くことができるでしょう。浪費をしなくても充実感が得られるようになれば、老後の年金暮らしでも満足した生活が送れます。

まとめ

今回は年金だけで暮らしていく方法について解説しました。しかし、今回紹介した収入と生活費はあくまで平均的なものです。もらえる年金が少ない人は、老後資金を準備していなければ厳しい生活になりますし、旅行やレジャーを楽しみながらゆとりがある生活を送りたいという人も、やはり老後資金の準備が必要だといえます。

大切なのは受け取れる年金額を把握することと、老後にどのような生活をしたいのかをイメージすることです。そうすれば、自分たちがどれだけ老後資金を準備する必要があるのかみえてくるでしょう。

参考

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」総務省統計局

石黒 杏樹