今年も残すところわずかとなりました。

まだまだ新型コロナウイルスの影響が拡大しており、自宅での過ごし方の工夫が求められる1年であり、新年も続きそうです。

普段慌ただしく過ごしていた方も今年そして年始はゆっくり考える時間を取れるという方も多いと思います。

今回は現役世代にとって不安や悩みの要因のひとつである年金について、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点で少しでも多くもらうための方法をご紹介します。

健康寿命と年金

さて老後にもらうことになる年金ですが、年金だけで生活しようと考える方は少ないのではないかと思います。

内閣府の高齢者白書によると、健康寿命は日常生活に制限のない期間のこととなっています。いつまで健康でいられるかは老後を生き抜く上で重要な要素となりますが、過去と比べて健康寿命はどのくらい延びているでしょうか。

平成13年(2001年)には男性69.4歳、女性72.65歳だったものが、平成28年(2016年)には男性72.14歳、女性74.79歳となっており、健康寿命は長くなっています。

この長くなっている老後を生き抜くためには、健康でいること、お金を減らさないこと、お金を増やすことがポイントになります。

これからも健康寿命が延びていくと予想されますから、もし健康で元気でいられる自信があるならば、ぜひ検討していただきたいのが年金の繰り下げ受給です。

健康自身ありで年金受給額を4割も増やす方法

さて原則として年金の受給開始は65歳からとなっていますが、それよりも前に受給することを「繰り上げ受給」、65歳以降に受け取ることを「繰り下げ受給」といいます。

繰り下げ受給をすると下記の式で増額率が求められます。

  • 0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数

こうして繰り下げの場合は66歳から70歳までの間で選択出来、最大で42%の増額となります。

尚、この繰り下げ受給も令和2年5月29日には、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立したことで、今後は75歳まで受給開始年齢が選べるようになります(令和4年4月から適用)。

もし75歳から受給開始となれば最大で84%も増額となりますから、健康に自信があれば取り入れたい制度です。

では繰り下げ受給するとどのように増額率が変わるのかをみていきましょう。

  • 66歳0ヵ月~66歳11ヵ月:8.4%~16.1%
  • 67歳0ヵ月~67歳11ヵ月:16.8%~24.5%
  • 68歳0ヵ月~68歳11ヵ月:25.2%~32.9%
  • 69歳0ヵ月~69歳11ヵ月:33.6%~41.3%
  • 70歳0ヵ月~:42.0%

いかがでしょうか。それでもまだ本当に繰り下げ受給がお得なのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

年金の受け取りは何歳からがお得?

年金制度は終身で受け取れることになるため早く亡くなると長生きした場合に比べて損がでてしまいます。繰り下げ受給は何歳まで生きると得になるのでしょうか。

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は14万6162円であることから、毎月の受給額を14万円として受給できる年金総額をざっくりと試算してみましょう。

65歳年金受給開始(繰り下げ受給しない場合)のケース

  • 70歳・・・840万円
  • 75歳・・・1680万円
  • 80歳・・・2520万円
  • 85歳・・・3360万円
  • 90歳・・・4200万円
  • 95歳・・・5040万円
  • 100歳・・・5880万円

70歳年金受給開始(5年繰り下げ受給の場合)のケース

  • 70歳・・・0円
  • 75歳・・・1192万8000円
  • 80歳・・・2385万6000円
  • 85歳・・・3578万4000円
  • 90歳・・・4771万2000円
  • 95歳・・・5964万円
  • 100歳・・・7156万8000円

75歳年金受給開始(10年繰り下げ受給の場合)のケース

  • 75歳・・・0円
  • 80歳・・・1545万6000円
  • 85歳・・・3091万2000円
  • 90歳・・・4636万8000円
  • 95歳・・・6182万4000円
  • 100歳・・・7728万円

このように長生きすればするほど、繰り下げ受給はお得になることが分かります。

健康に自信があり、定年後も働こうという方にとっては、5年繰り下げるだけでも95歳時点で924万円得していることになりますので積極的に取り入れたい制度です。

繰り下げ受給で注意したいこと

繰り下げ受給を検討する上で、注意しなければならないことは年金受給開始までの生活費をどのように捻出するかです。

定年後も働くことで大半の生活費はまかなうことが出来ますが、年齢が上がると病気などで働けなくなるリスクも上がります。
万が一のための備えは多いに越したことはありませんので、現役のうちに自助努力である程度、老後資金を持っておくことをおすすめします。

まとめにかえて

老後資金を自助努力で増やすためには、資産運用も取り入れてお金を増やすスピードをあげていくことが今を生きる私達には不可欠となりそうです。

国の制度であるイデコやつみたてニーサを使って資産運用をすると税制面での優遇が受けられます。資産運用の初心者の方はまずは国の制度を取り入れてみましょう。

自分で何からどのように始めれば良いのか分からないという方は、お金の専門家であるFPやIFAと呼ばれるプロに相談してみることもおすすめです。

今は無料でオンラインのマネーセミナーに参加が出来たり、相談ができるサービスも充実していきています。

今年のうちに何かひとつでも行動してみてはいかがでしょうか。

参考資料