決行期間は4か月。4か月後にはすっきり片付いて見違えるような部屋に生まれ変わるはず…とAさんはウキウキしていたそうです。ところが…
「最初のうちは読まなくなった本やら、使わない食器など、言い方はおかしいですが『捨てるものに困らなかった』んです。ところが2か月ほどたったら、捨てるものに困るようになって」
捨てるものがなくなったらそれでストップにすればよかったのですが、Aさんは「4か月やり遂げないとミニマリストにはなれない」と思い込んでしまい、無理矢理捨てるものを探すようになったのだとか。
「毎日毎日、『これ、本当は捨てたくないんだけどなぁ』などと思いながら、思い出の写真や洋服、CDなどを捨てるのは本当につらかったですね」
4か月たったAさんの部屋は、スッキリ片付いて、遊びに来た友人たちにも好評。
「でも、ふとした時に読み返したくなる本や、お気に入りのCDまで捨ててしまって…。実は後悔して再度購入しようと思ったのですが、絶版、廃盤で手に入らない状態。今、とても空虚な気持ちです。ミニマリストって、心が豊かになると思っていたのに…」
自分が“断捨離”される羽目に
続いてご紹介するのは20代のHさん。Hさんは数年前からミニマリストにはまり、“持たない暮らし”を続けていました。
「本当に必要最低限のものだけで生活していると、毎日の行動がシンプルになるんです。洋服も本当にお気に入りのものを数枚持っていれば『今日は何を着よう』なんて迷わなくてすむ。それに片付けや掃除に時間を取られることがないので、時間と気持ちに余裕が生まれました」