婚活で男性に高収入を求めるケースなど、結婚相手の年収だけは条件として外せない、という女性も多いでしょう。結婚相手が高収入であれば、何不自由のない生活を送ることができそうなイメージがあります。

例えば、年収1000万円を超えるような高収入の人って、どのくらいいるのでしょう。

国税庁が発表している「平成30年(2018年)度分 民間給与実態統計調査」の結果を見ると、年収1000万円以上を稼ぐことができる給与所得者(※)は、男性が全体の7.7%、女性が全体の1.2%です。つまり男女合計で、サラリーマン全体の5%の人ということになります。

今回は、その中から「稼ぐ女性たち」にフォーカスしていきます。

(※)スポーツ選手や芸能人などの高所得者は含まれていません。

「世帯年収1000万円超」夫婦のリアル

さいしょに、二人以上の世帯のうち勤労世帯の年収を見てみましょう。世帯主の夫1人分の給与で1000万円を達成している世帯もあれば、夫婦合計で高収入を達成している世帯もあるでしょう。

総務省が公表している「家計調査(2019年)」の「年間収入階級別」によると、表中の「1000万円以上」の世帯では「有業人員」が他の年収の世帯よりも高くなっています。また、「世帯主の配偶者・女性の有業率」も、他と比較してもっとも高くなっています。このことから、高収入の夫の世帯もあるのでしょうが、妻の収入も合算して世帯年収1000万円を達成している割合も高いということになります。

1/1

※総務省統計局のデータより編集部にて作成

※総務省統計局のデータより編集部にて作成

特に年収1250万円を超えるゾーンでは、世帯内の「有業人員」が2を超えています。「配偶者・女性の就業率」についても非常に高い数値であり、家族の協力の下で高い世帯収入を達成しているといえるでしょう。

「夫婦ともに正規職員」の平均賃金を合計しても…

ここで男女の平均賃金について見てみましょう。厚生労働省の「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査」によると、

  • 男性の平均賃金:33万8000円(年収:約400万円)
  • 女性の平均賃金:25万1000円(年収:約300万円)

(※注記 ここでいう「給与」とは、「労働契約、労働協約あるいは事業所の就業規則などによってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって6月分として支給された現金給与額をいう。手取り額でなく、所得税、社会保険料などを控除する前の額」としています。また「基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、超過労働給与額も含まれる」となっています。)

このように男女では年収ベースで100万円ほどの差があります。さらに正規・非正規に分けて男女のデータを見てみると、

男性

  • 正社員・正職員…35万1500円(年収:約420万円)
  • 上記以外(非正規)…23万4800円(年収:約280万円)

女性

  • 正社員・正職員…26万9400円(年収:約320万円)
  • 上記以外(非正規)…18万9100円(年収:約220万円)

正規雇用の給与は確かに非正規よりも高い金額ですが、男性の正規の平均値420万円と女性の正規の平均値320万円の二人分を足しても1000万円には届きません。つまり、世帯年収で高収入を達成している夫婦は、どちらか、または夫婦とも平均を上回る収入を得ている可能性があります。

高年収女性の「しごと」事情

上記のようなケースで、年収の高い女性はどのような仕事をしているのでしょうか。大企業に勤めているのか、役職に就いているのか…データから見てみましょう。

厚生労働省などの調査基準によると、大企業などの「企業規模」については「調査労働者の属する企業の全常用労働者数の規模」から定義されています。常用労働者 1000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」として集計されています。

まず、女性の正規雇用の平均賃金は26万9400円(年収:約320万円)でしたが、これを企業規模別に見ると、

女性

  • 大企業:27万900円(同0.1%増)
  • 中企業:24万8100円(同1.5%増)
  • 小企業:22万8700円(同2.2%増)

このように女性の場合、企業規模での差はそれほど大きくはないようです。一方、男性については差があります。

男性

  • 大企業:38万300円(前年比1.7%減)
  • 中企業:32万3200円(同0.5%増)
  • 小企業:29万7100円(同1.7%増)

男女の違いを見ると、女性の場合は大企業でも、飛び抜けているというわけではなさそうです。では、高収入の女性はどのような働き方をしているのでしょうか。

「役職」に就いている女性の給料はどのぐらい?

次に、役職別の給与について見てみましょう。先述の「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査」よると「役職別にみた賃金(月額)」は以下のようになりました。

男性

  • 部長級:66万6800円(800万1600円)
  • 課長級:53万2000円(638万4000円)
  • 係長級:40万5400円(486万4800円)
  • 非役職者:31万4000円(376万8000円)

女性

  • 部長級:61万5800円(738万9600円)
  • 課長級:47万5600円(570万7200円)
  • 係長級:35万1500円(421万8000円)
  • 非役職者:26万100円(312万1200円)

(※この調査の対象は「企業全体の常用労働者が100人以上の企業」「その企業に属する雇用期間の定めのない常用労働者」となっています。)

女性で「部長」クラスの肩書がつくと、単純計算で年収は730万円超となり、かなりの高収入です。ただし、「女性で部長や課長になる人の割合」についてはどうでしょうか。独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している『ユースフル労働統計2020』によれば、「役職者のうち何割が女性か」という点については、2019年度の部長級の役職に占める女性の割合は、6.9%、課長級は11.4%となっています。女性で高い役職が就くというだけでも、かなり厳しい競争を勝ち抜いてきたということが、うかがえます。

おわりに

女性の平均賃金は男性に比べると、企業規模が変わっても差は少なく、役職に就いていると確かに高収入ですが、その割合はごくわずかです。最初に述べたように、女性で年収1000万円以上の給与所得者は女性全体の1.2%という少なさを考えると、女性が男性と肩を並べるほどの収入を得ることがいかに大変であるかが分かります。

世帯の収入で1000万円などの高収入を達成している世帯では、夫婦の協力、とくに女性の努力により成り立っている様子が見えてきます。もしあなたの周りに高収入の女性がいたら、その方は非常に貴重な存在であり、飛び抜けて有能な人物であることを表しているといえるでしょう。

【参考】
令和元年賃金構造基本統計調査」厚生労働省
平成30年度分 民間給与実態統計調査」国税庁
令和元年賃金構造基本統計調査」厚生労働省
ユースフル労働統計2020」独立行政法人労働政策研究・研修機構

LIMO編集部