株式市場の振り返り-不意にリスクオンとなり商いを伴って3日ぶりの反発

2016年9月27日(火)の主要指標 カッコ内は前日終値比

  • 日経平均株価 16,683円(+139円、+0.8%) 3日ぶり反発
  • TOPIX 1,349.2(+13.3、+1.0%) 3日ぶり反発
  • 東証マザーズ総合指数 945.1(+5.4、+0.6%) 反発

東証1部の出来高は22億3,921万株、売買代金は2兆2,946億円(概算)でした。日銀が発表した新たな枠組みでの金融政策の消化不良が続いていましたが、米国大統領選の情勢変化等を受けて一気にリスクオンとなり、3日ぶりに活況な商いとなりました。ただ、水準自体はまだ低いままです。一方、東証マザーズの出来高は5,199万株、売買代金は693億円となりました。いずれも前日より大幅減少となり、資金流入が長続きしないようです。

総じて買いが優勢の中、薬品株と電子部品株が大幅反発。新興市場では高安まちまち。

個別銘柄では、武田薬品工業(4502)や塩野義製薬(4507)などの薬品株が値を上げ、前日に大幅下落となったTDK(6762)や村田製作所(6981)などの電子部品株も反発しました。また、KDDI(9433)、ダイキン工業(6367)、マツダ(7261)が上昇し、ニトリホールディングス(9843)など小売株の一角が好調に推移しています。一方、ファーストリティリング(9983)が下落し、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)も冴えませんでした。また、コマツ(6301)が続落となり、ソニー(6758)も安く終わっています。

また、新興市場では、そーせいグループ(4565)やミクシィ(2121)など時価総額の大きい銘柄が値を上げ、エディア(3935)がストップ高となり、セレス(3696)やアスカネット(2438)も大幅高となりました。また、串カツ田中(3547)も反発しています。一方で、アキュセラ(4589)が急落したのが目立ちました。

本日(9月28日)の注目点-決算後のニトリホールディングスの株価を観察すべき

27日は取引時間途中からリスクオンとなり、商いが活況となりましたが、残念ながら一過性と考えられます。日銀の金融政策を消化できない相場には、未だ方向感がなく、些細な材料で上振れにも下振れにも行く展開が予想されます。巷ではノーベル賞など毎年恒例の話題が材料となりつつありますが、これも一時的なものになるでしょう。大きなテーマがない時は、個人投資家が無理に動くことは危険です。いつか動き出す相場に備えて準備期間としましょう。

さて、注目されていたニトリホールディングスの決算発表は、絶好調な上期実績と、会社予想の据え置きという好対照な結果となりました。それだけに、28日(水)の株価、及び、小売株全体へ与える影響に注目が集まるでしょう。どちらかに大きく動き出した場合、付いて行かないことが重要となります。それよりも、次の展開を考えることが必要です。ニトリの決算後の株価の動きを良き練習と捉えて下さい。

9月も残り3日間となりましたが、例年、なぜだかわかりませんが、9月末に駆け込み的な業績修正を行う会社が増え始めます。特に、今年は月末日(30日)が金曜日になるため、業績修正が意外に多くなる可能性があります。こうした不意を突く業績修正にも注意すべきと言えましょう。

青山 諭志