50代は定年が視野に入ってくるので、退職金がどの程度もらえるのか気になる人も多いでしょう。
しかし、50代は収入が増える一方、支出も増える世代です。
住宅ローンの返済が残っていたり、教育費がピークに達したりする時期だからです。
ですから、定年が迫っていても「老後のことについて考えている時間はない」という人もいるかもしれません。
ただし定年を迎えてから老後のことについて考えても、打てる手は限られてしまいます。
この記事では、定年退職したらどのぐらい退職金をもらえるのか、そしてその資金をどのように使えば良いのか、証券会社勤務経験がある元証券マンの目線で解説します。
退職金制度の有無を確認する
退職金の正式名称は、「退職給付制度」といいます。
退職給付制度とは、会社員が会社を辞める時に、勤続年数や退職理由などに応じて一定の金額を受け取れる制度のことで、退職給付の受け取りには「退職年金」と「退職一時金」の2種類があります。
「退職年金」とは、退職金の原資として積み立てられたお金を、年金として受け取る方法です。
私的年金の一種で、主に確定給付企業年金(DB)と企業型確定拠出年金(DC)などがあります。
一方の「退職一時金」とは、退職金の原資として積み立てられたお金を一時金として受け取る方法です。
では退職給付制度の形態と割合を確認してみましょう。
- 退職一時金のみ:73.3%
- 退職年金制度のみ:8.6%
- 両制度併用:18.1%
退職金一時金のみが73.3%ともっとも多くなっています。また、退職一時金と退職年金制度の併用が18.1%となっており、多くの企業が退職一時金をメインにしていることがわかります。
入社時に確認されている方が多いと思いますが、気をつけなければいけないのは、自分が勤めている会社に退職給付制度があるかを確認しておくことです。
「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」によると、退職給付制度がある企業の割合は80.5%となっており、約2割の企業が退職給付制度はないのです。
大卒・高卒で退職金の金額はどのぐらいか
それでは、実際にどの程度の退職金をもらっているのかを確認していきましょう。
勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の中で退職事由別に金額を見ると、早期優遇が一番高く、自己都合がもっとも低くなっています。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
高校卒(現業職)
- 定年:1159万円
- 会社都合:1118万円
- 自己都合:686万円
- 早期優遇:1459万円
定年退職者の退職給付額を学歴別に見ると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」1983万円、「高校卒(管理・事務・技術職)」1618万円、「高校卒(現業職)」1159万円となっていて、学歴が高いほど多くなっています。
定年退職での退職給付金は勤続年数によって異なる
退職金は、勤続年数によって異なるので、転職などをしていて勤続年数が少ない人は、新卒から勤めている人よりも退職金が少なくなる可能性もあります。
勤続年数ごとの退職金は、以下の通りです。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 勤続20~24年:1267万円
- 25~29年:1395万円
- 30~34年:1794万円
- 35年以上:2173万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 勤続20~24年:525万円
- 25~29年:745万円
- 30~34年:928万円
- 35年以上:1954万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 勤続20~24年:421万円
- 25~29年:610万円
- 30~34年:814万円
- 35年以上:1629万円
このように、勤続20~24年と35年以上を比較すると、大きな差があることがわかります。
退職金はどう活用する
退職金を老後資金として活用しようと考えている人も多いでしょう。ただ、人生100年時代を迎え、長生きリスクにも備える必要があります。ですから、退職金の一部で資産運用を始めることをおすすめします。
ただし、大きなリスクを取るのではなく、安全性を重視した運用を心掛けましょう。
金融商品では投資信託がオススメです。幅広い銘柄に分散投資期できるので、リスクを抑えた運用ができるからです。ただし、投資信託は6000本以上あるので、信頼できる投資アドバイザーなどに相談しながら購入するファンドを決めるようにしましょう。
まとめにかえて
定年を意識し始める50代は、退職金がどの程度もらえるのか気になる人も多いでしょう。まず自分の会社に退職給付制度があるのかどうかを調べ、さらに転職などをしている人は、勤続年数で退職金がどのぐらい変わるのかを確認しておくようにしましょう。
