あまりにできない部下を異動させてみると…
「どうにも気が回らないし、仕事が遅くて『なんでそんなこともできないんだ?』って思っていた部下を別の部署に異動させてみたら、その部署ではすごく評価の高い社員になっていたケースがある」と話すのは、金融機関で働く管理職のCさんです。
Cさんの部下は、30代前半になるものの仕事のペースが遅く、要領が悪いように感じていたのだそう。しかし、あるとき彼女を見ていてCさんは気が付いたことがありました。
「彼女は明確な指示があれば仕事がスピーディーにできる。一方で、割と裁量がある仕事はニガテで、明確な指示がないと『どうしたらいいだろう?』『何が正解なんだろう?』と思い悩んでいるように感じた。人の曖昧な指示について考えるのが苦手なら、やるべきことが明確に決まっている部署のがいいかもと思い、人事面談の際に異動を提案してみた」というCさん。
「最初は彼女もプライドがあったのが渋っていたけれど、話をしていくうちに『正直、たしかにこの仕事には向いていないかもしれないと思っていた。本当は定型作業みたいなものをコツコツ黙ってやるほうが得意』と話してくれた。そして人事部と相談し、彼女はバックオフィス系の業務へ。すると正確な仕事ぶりで高く評価されるようになった。本当はうちの部署内で適所適材に役割分担すればよかったのかもしれないけれど、彼女が輝ける場所が見つかってよかった」と話していました。