「人事の同期が人事部長に掛け合ったところ、『確かに彼の怒り方には問題がある』と策を練ってくれた。そして課の配置を移動して、両脇が女性の多い人事総務部と経理課になった。人事部長からの注意やハラスメント注意のポスターもあったけれど、それが一番効果があったかな」と話します。

女性の目を気にして怒鳴ることがなくなるというのは何とも人間的な小ささを感じますが、結果的にぴたりと止んだのだそう。「小さな会社で、人事部長が積極的に動いてくれたことがよかった」とAさんも話していました。

「やれる範囲でやります」が口癖の後輩

「何か仕事を頼むと、『やれる範囲でやります』と回答してくる後輩。毎回シャクに障っていた」と話すのは、システムエンジニアをしているBさん。

「やれる範囲でやるのは別にいいけれど、とにかくやる気がない。仕事を断ることも多く、営業部門の人から『彼はなんであんなにやる気がないの? 何もやってくれないんだけど』と文句を言われることもあったし、タバコを吸うわけでもないのにスマホを持ってふらっといなくなることも多い。男性トイレでサボっているのは自分も知っていたけれど、どう指導したらいいかわからなくて、いつももどかしさを感じていた」と話します。

「たまに先輩として注意をすることもあったが、やる気がない人をやる気にさせる方法を知らなかった。ある友人に飲み会で軽くそのことを話したら、『トコトン褒めてみろ』と言われた。『なんでも褒める、なんでも認める、9割褒めて1割頼りにしろ、バカにしていると思われない程度に大げさに、いろんな人の前で褒めてみろ』と言われたから、その通りにやってみた」と続けるBさん。

「それからは周囲に聞こえるような声で褒めたり、上司の前でも『仕事が丁寧で頼りになる』とか『堅実な仕事ぶりだから、もう少しいろんな仕事をしてもらってもいいと思う』と大げさに褒めた。すると少しずつ彼自身の態度も変わってきて、仕事に真剣に取り組むように。頼りにされるのがうれしかったんだろうと思う」と教えてくれました。