「男はお金を使ってナンボ」と思ってきたこと

同じく60代のCさんは、「昔は”男はお金を使ってナンボ”と思って生きていた」と言います。「お金を豪快に使えることが男の甲斐性のように思っていた。同僚や上司も皆同じような発想だったと思う。お金がない男っていうのはつまらないものだとも感じていたし、お金を貯めることを真剣に考えたこともなかった」のだそう。

「老後は何となく安泰だと思っていたし、そもそも自分の老後のことなんて想像してもいなかった。お金をボンッと出すっていうのがカッコいいと思っていただけで、なんであの頃に将来のことを考えなかったんだろうと思う」と話します。

「今、若い頃から備えていこうという人が多いのは、すごいことだなと思う。偉いし、計画性がある」とCさん。確かに、最近は若いうちから自分の老後資金を貯めようとする人が昔より増えているようです。それは年金に対する不安が理由なのかもしれませんが、自分の力でお金を貯めて後悔しない未来をつくるのは大事なことです。

派手好きで生きてきたこと

「ずっと派手好きで生きてきた。何でも人より上で、豪華でないと気が済まない性分だった」と話すのは、50代の専業主婦Dさんです。Dさんはすでに息子2人が社会人として独立しており、夫と2人暮らしです。

「今思い返してみると、あれって本当に収入に見合った生活だったのかなと思う。見栄で生きてきたような気がしてならない。子どもの教育にもお金をかけたし、自分が着るものにもお金をかけた。夫も倹約家ではなかったから、たいした貯蓄はできなかった。夫とお金のことを腹を割って話したこともない」と言います。