令和2年版の厚生労働白書では、2040年に65歳の人が90歳まで生きる確率を男性42%、女性68%と予想しています。「人生100年時代」に向け、老後資金として頼りになるのが退職金です。
しかし、実際にどの程度もらえるのかを把握している人は少ないのではないでしょうか。そこで、今回は証券会社勤務経験のある元証券マンが退職金の制度と会社員の退職金はどの程度もらえるのかについて解説します。
退職金とは
退職金とは、退職のときに企業から支払われる賃金のことです。
定年退職のイメージが強いかもしれませんが、定年前に会社を退職した場合でも退職金がもらえる場合もあります。
退職金には、主に「退職一時金」と「退職年金」の2種類があります。
「退職一時金」とは、退職する時に退職金が一度にまとめて支給される制度で企業の退職金規定によって支払われます。退職するまでに規定が変更されない限り、支払いは確約されています。
一方の「退職年金」とは、退職金が一度に支給されるのではなく、一定期間もしくは生涯にわたって一定金額が年金として支払われる制度です。
退職年金と退職一時期はどちらかを選ばなければいけないというわけではなく、併用している企業もあります。
退職金がない会社もある
ある程度企業で働いた場合、退職金が必ずもらえると考えている人もいますが、会社は必ずしも退職金を支給しなければいけないというわけではありません。つまり、退職金の支払いは会社の義務ではないのです。
厚生労働白書の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職給付金制度がある企業の割合は80.5%となっており、約2割の企業が退職金給付制度はないことがわかります。それでは、退職一時金と退職年金制度の割合はどの程度になっているのでしょうか。
- 退職一時金制度のみ:73.3%
- 退職年金制度のみ:8.6%
- 両制度併用:18.1%
多くの企業が退職金一時金制度のみ、もしくは退職金一時金制度と退職年金制度を併用していることがわかります。
大卒、高卒の一人あたりの平均退職給付額はどれくらい?
それでは実際に退職金をどの程度もらっているのでしょうか。
勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の方で学歴別に確認してみましょう。。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
高校卒(現業職)
- 定年:1159万円
- 会社都合:1118万円
- 自己都合:686万円
- 早期優遇:1459万円
高校卒よりも大学卒の方が、退職金は多い傾向にあります。
2019年は「老後2000万円問題」が話題になりました。高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入と実支出を比べると、毎月約5万円の赤字になり、老後を30年と考えると約2000万円の資金が不足するという内容でした。
しかし大学卒の場合は、2000万円前後の資金がもらえるので、老後資金として安心できる金額と言えるでしょう。ただし、企業に勤めている年数などによって金額は大きく異なるので、必ず会社に確認するようにしてください。
まとめにかえて
退職金を老後資金として考えている人も多いでしょう。
ただし退職金では老後資金が足りないと考えている人は、資産運用を始めてお金を用意するようにします。その際は、イデコやつみたてニーサといった税金が優遇される制度を利用されると良いでしょう。
