争続が起こるのは「分け方がマズい」から。

「あいつだけたくさん相続してズルい!」という「不公平感」が相続争いの始まりです。
これにはもちろん、ある相続人が財産を独占して起こるケースもありますが、実際には「分割が上手くいかない」ことによって引き起こされているケースが最も多くなっています。

平等に分ければ、争いは起こりにくいが・・・

遺産を1円単位までキッチリと平等に分けることができれば不公平感は生まれず、相続争いは生まれにくくなります。
現物分割ではかなり難しいですが、換価分割や代償分割であれば、理論上は完全に平等にすることが可能になるはずです。

しかし、実際にはなかなか難しい、というのが現状なのです。

金融資産が少ないと、平等に分けることが難しい

自宅などの不動産の他に預貯金などの金融資産がある場合、お金で相続分を微調整することができるため、平等に分割することが比較的簡単になります。

しかし金融資産がない場合は、それが一気に難しくなってしまうのです。

最もモメやすい、資産が「自宅のみ」のケース

一番難しいのは主だった資産が「自宅のみ」というケースです。

まず現物分割ですが、相続人が2人、さらに建物と土地が同じ価格という非常にレアなケースでない限り、不公平なく分割することは不可能です。(そしてこの場合、建物と土地の名義人が別々になります。よって、のちに一方が売却を考えたときにトラブルが発生する可能性大でしょう)

次に換価分割ですが、自宅を売却してしまうと「被相続人の配偶者(例えば夫を亡くした妻)の住む場所」に困るという場合があるため、実際には難しいケースも多くなります。

相続人の中に多くの資産を持っている人がいれば代償分割が可能ですが、そうでなければそれも困難です。

3つあるどの分割方法も難しい、つまり1人の相続人だけが自宅を相続することになりやすく、他の相続人の間で不公平感が生じやすくなり、相続争いに発展しやすいのです。

これが資産が少なくても相続争いが発生する主な原因と仕組みです。