派遣社員のテレワークが進まなかった理由
政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、在宅勤務の活用を強く呼びかけました。派遣社員に関しても、厚生労働省が派遣社員や派遣先の企業に対し、在宅勤務に切り替えるよう、事務連絡を3月16日付で出しています。
派遣社員のテレワークが進まなかった理由のひとつに、「派遣契約」があります。「就業場所」にない「在宅」で勤務する場合は、派遣契約を変更する必要が出てきたのです。
また、派遣元となる人材派遣会社には、就業規則に在宅勤務を規定していない社もありました。この場合は、派遣会社からテレワーク依頼を断ることになりました。
セキュリティ対策も課題となりました。派遣社員に、セキュリティ上の観点から貸与パソコンの社外利用を認めていない企業は多数あります。この社内規定もネックとなりました。
さらに労務管理も問題に。派遣社員の多くは時給制ですが、労務管理ツールを導入していない企業では、「どうやって管理するんだ!」と困惑するケースもありました。
実際のところ、厚生労働省も「緊急の必要がある場合は、事前に書面による契約変更の必要はない」としたのですが、今年の春先は、やっぱりパニックでしたから。しょうがない面もあると思います。