80:20の法則で子育てと両立

子育ての大変な時期は、マッキンゼーで5年間パートタイムという立場で働きながら、子育てを優先させたといいます。焦りはあったようですが、「いっぺんにやりたいこと全てを納得いくようにはできない。80:20の法則を身につけなくてはならなかった」と述べています。

80:20の法則、いわゆる「パレートの法則」ですが、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート氏が発見した法則で、ビジネスでよく使われている考え方です。20%を極めれば80%は達成できる。全てを完璧にこなそうとするより、優先を決めてそれに集中した方が効率的だということです。さすが、ハーバード・ビジネススクール出身のキャリアマザーらしい発想です。

5年間、仕事を減らし、子育てに集中した後は、フルタイム勤務にもどりました。ワーキングマザーはそれまでの人生で最も大変なことだったといいます。子供への罪悪感もあったようです。

転勤をきっかけに、歳の離れたおなじく金融機関に勤めていたご主人がアーリーリタイヤする形となり、彼女の転勤に子どもと一緒について回り彼女を支えてくれたようです。そういえば、カマラ・ハリス次期副大統領のご主人も弁護士の仕事を辞め、次期副大統領となる妻を全面的に支える方針だと、伝えられています。

環境と経済力の土台

フレイザー氏が男性主体の金融業界で初の女性CEOにまでのぼりつめられたのは、彼女の並大抵ではない努力、才能、人間性はもちろんでしょう。しかしそれだけではなく、働く環境、家族、上司、同僚など周りの人々にも恵まれていたようです。スピーチの中でフレイザー氏は、不利な状況を優位な状況に変える方法などの貴重なアドバイスをくれる素晴らしいメンター達(上司・先輩)に恵まれたと述べています。そしていいメンターになろうと心掛けることも大切だといいます。

またフレイザー氏は、信頼できるしっかりしたベビーシッターを金に糸目をつけずに雇うに見合うだけの十分な収入もあったことでしょう。