公的年金が優れている点
厚生労働省によると公的年金が優れている点として、「人生のリスク」に対応するための公的制度として下記のように記しています。
人生には、さまざまなリスクがあります。高齢によって働くことができなくなる、思いがけない事故や病気で障害を負ってしまった、一家の大黒柱が亡くなってしまった……など、安定した収入を得られず生活できなくなるリスクは、予測できません。そうした「もしものとき」に備えるため、生命保険や医療保険などに入る方、貯蓄をする方もたくさんいます。
でも、その備えが「いつ」「どれだけ」「いつまで」必要なのかは、誰にも分かりません。誰にでも起こり得ることなのに、すべての人が、あらゆる事態を予測して、十分に備えることは困難なのです。こうした「人生のリスク」にすべての人が備えられるよう、公的年金は国が公的制度として運営しています。
年金は老後の生活費のためだけにつみたてていると思うことが一般的ですが、障害になったときや死亡したときの遺族への保障にも対応しています。
そして老後の生活費としては終身で受け取れることが出来るのは最大のメリットといえるのではないでしょうか。
例えば令和2年現在の国民年金の月納付額は1万6540円ですが、納付義務が発生する20歳から60歳まで支払った場合の総額は793万9200円です。
令和2年度に支払われる国民年金の月額は満額で6万5141円ですから、亡くなるまでが10年とすると総額781万6920円、20年では総額1563万3840円、30年では2345万760円が受け取れることになります。
毎年平均寿命が延びているいまは、尚更公的年金は不可欠となるのではないでしょうか。
厚生年金と国民年金の受給額はいくら
年金の制度が確認出来ましたので、早速今、厚生年金や国民年金を受給されている方はいくらもらえているのか厚生労働省年金局「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」からみていきましょう。
国民年金受給額
まずは国民年金の場合、毎月の平均受給額はいくらでしょうか。
- 60歳~64歳・・・4万1790円
- 65歳~69歳・・・5万6831円
- 70歳~74歳・・・5万6429円
- 75歳~79歳・・・5万5972円
- 80歳~84歳・・・5万6336円
- 85歳~89歳・・・5万4708円
- 90歳以上・・・4万7803円
国民年金は、65 歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した方となっており金額が少なくなっています。
厚生年金受給額
厚生年金保険(第1号)の場合、毎月の平均受給額はどうでしょうか。
- 60歳~64歳・・・7万9135円
- 65歳~69歳・・・14万4521円
- 70歳~74歳・・・14万6813円
- 75歳~79歳・・・15万3816円
- 80歳~84歳・・・16万1663円
- 85歳~89歳・・・16万4831円
- 90歳以上・・・16万367円
60歳から90歳以上までの年齢で平均金額が異なっているのは65 歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみとなっているためです。
国民年金とは違って金額は3倍近く多くなっています。夫婦で厚生年金を受給出来れば、年金だけでも十分老後の生活がまかなえるでしょう。