スーパーの2~3割増しの金額を“手間賃分”だと捉えられるかどうか

そもそも、筆者は掃除や洗濯などの家事は嫌いで、便利家電や家事代行サービスを多用しても楽をしたいタイプですが、料理に関してはまったく苦になりません。むしろ、レシピを検索したり献立を考えたり、スーパーでの食材の吟味や冷蔵庫の中にある残り物で創意工夫をして食事を用意するといったことは、割と好きなほうです。

そのため、ミールキットはかなり簡単に栄養価が高くおいしいご飯を作ることができるものの、その価格を必要経費と捉えることができませんでした。筆者が使ったのは大人2人で5食分の材料が税込6000円程度。つまり、白いご飯を入れずに大人1食分の食事が300円でできあがります。

この金額を高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、筆者は「ちょっと高い」と感じてしまいました。届いた材料を見ても、スーパーで買った食材よりも2割から3割程度高くつく計算です。この2割から3割を、献立を考えたり買い物に行ったりする手間賃以上の価値があると捉えられればミールキットは十分にお得です。

しかし、筆者のよう料理にまつわることが苦ではないタイプからすると、ミールキットはそこまでお得とも言えないなと感じたのです。

毎日、必ず夫が家で夕食を食べるとは限らない

また、筆者がお試しで注文してみたミールキットは大人2人分の主菜と2品の副菜を作れるというもの。つまり、ご飯だけ自分で用意しておけば、そのミールキットで夫婦の夕ご飯が完成するわけです。

しかし、筆者の夫は仕事が忙しいために毎晩必ず家で夕ご飯を食べるとは限りません。繁忙期になると、平日は毎日24時前に退社するため職場近くで夕食を済ませたり会食で食べてきたりといったことも。

そのため、筆者と夫の2人分の夕食のためのミールキットは作れたり作れなかったりという状況に陥ってしまいました。