退職金はどのくらいか

日本経済団体連合会が2年ごとに実施している「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)から、退職金を大きく左右する勤続年数別のデータを見てみましょう。

大学卒(総合職)の勤続年数別退職金

5年:126万7,000円
10年:307万9,000円
15年:488万円
20年:809万4,000円
25年:1,181万7,000円
30年:1,629万8,000円
35年:2,038万1,000円
38年:2,255万8,000円

高校卒(総合職)の勤続年数別退職金

5年:78万6,000円
10年:191万7,000円
15年:358万2,000円
20年:578万7,000円
25年:895万1,000円
30年:1,222万円
35年:1,781万8,000円
38年:1,850万9,000円
42年:2,037万7,000円

退職金が2,000万円を超える人が多いのは、大学卒(総合職)だと勤続年数35年、高校卒(総合職)だと42年以上となっています。少なくとも勤続35年を超えないと、なかなか退職金2,000万円には達しないことが分かります。しかも、近年は退職給付制度そのものがない企業も増えている傾向にあるため注意が必要です。

従来の日本型終身雇用制度は崩れつつあり、現代は働き方が多様化しています。多様化のおかげでより多くの人が社会で活躍できるメリットがある一方、退職金の近年の傾向は決して楽観できない状況にあるといえるでしょう。退職給付制度が変更されていく可能性もあるため、会社の退職金制度の把握や退職金の額について早めに調べておきましょう。また、自分で老後資金を準備する心構えを持って、早期からの資産形成をはじめることが何よりも重要だといえます。

さいごに

老後の生活資金の準備に困難さを感じる方もいるでしょうが、貯蓄は着実な第一歩から生み出されます。投資を利用する場合、税制優遇の多い個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」や非課税制度を利用可能な「つみたてNISA」などもあります。老後のための大切な資金ですので、貯蓄+投資を継続していくことが重要であり、そのためには信頼できる専門家を探して、相談するのも1つの方法となるでしょう。適切な商品と長期での運用を心がけて安定的に資産を増やしていきましょう。

参考

「生活保障に関する調査」生命保険文化センター
「厚生年金保険・国民年金事業年報」厚生労働省
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
「退職金・年金に関する実態調査結果」日本経済団体連合会

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部