コロナ禍において、仕事やお金のこと、老後のことなど、不安がよぎる人も少なくないと思います。2019年に大きな話題となった金融審議会の「老後2,000万円問題」にもあるように、老後生活にはまとまったお金が必要になります。そんな老後の生活資金の基礎となる退職金ですが、近年減少傾向にあります。
老後の生活資金の準備と退職金の傾向について、各種データから考えてみましょう。
老後の生活にはいくら必要になるのか
まず、老後生活費はどのくらい必要なのでしょうか。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2019年度)によると、夫婦2人の老後生活に必要だと考えられている最低日常生活費の平均は月額22.1万円となりました。
- 老後生活を送るうえで必要と考える最低日常生活費・・・平均22.1万円/月
- ゆとりある老後の生活を送るために必要と考える生活費・・・平均36.1万円/月
両者の間には約14万円の差があります。では、受給できる年金はどのくらいなのでしょうか。
年金はいくらもらえる?
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、2018年度の厚生年金保険(第1号、25年以上)の平均年金月額は14万3,761円で、国民年金の年金月額の平均は5万5,708円です。
老齢厚生年金
男性:16万3,840円
女性:10万2,558円
老齢基礎年金(国民年金)
男性:5万8,775円
女性:5万3,342円
(※厚生年金保険(第1号)に係る平均年金月額には併給している基礎年金額(同一の年金種別)を含む)