契約者が隣村の村長宅を放火するといけないので、そうした契約は存在しませんが、株の世界には、「株価暴落保険」が実際にあります。村長宅は放火できますが、契約者が株価を暴落させることはできませんから(笑)。
これは、株価が一定以上暴落すると損失を補填してくれる契約で、実際には「プットオプション」という複雑な契約なのですが、本質は株価暴落保険です。
錯覚という点では、「非常に小さな確率は実際より大きく感じるので、保険に加入したくなる」ということがあり得るでしょう。
夢を買うのが宝くじだとすれば、安心を買うのが保険ですね。どちらも「実際の確率よりも大きな確率で起きそうな気がするので、夢は大きく、心配も大きい。だから宝くじと保険を買いたくなる」というわけですね。
保険の場合は、錯覚等々のみならず、「誰かが非常に困った目に遭うのを防ぐ」という機能がありますから、期待値に関係なく加入するべきだ、という面があり、場合によっては宝くじよりさらに合理的なのかもしれませんね。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織、過去に属した組織、その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。
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塚崎 公義