たとえばオリンピックで日本選手を応援する行為は、全く経済合理的ではありませんね。テレビを見ながら応援しても勝敗には全く影響しませんし、仮に勝敗に影響したとしても自分の収入には全く影響しないわけですから。

しかし、だからと言って日本選手を応援する行為が愚かだということは全くありません。応援したいのであれば応援すれば良いでしょう。

それと比べれば、宝くじを買った後で「当たれ」と応援する行為の方が合理的でしょう。当たる確率に影響することはないでしょうが、当たれば自分の財産が増えるのですから(笑)。

「当たれ」と応援する対象が手に入り、しかも当たる確率が実際より高く感じられるので当選発表まで夢を持ち続けることができるわけですから、数百円の出費など安いものです。

宝くじは保険と似ている

保険と宝くじは、実は結構似ているのです。経済的にも似ていますし、錯覚の影響も、夢を持つという点も似ています。

経済的にはどちらも、皆で金を出し合って、特定の人にそれを渡す、という行為です。保険は運の悪い人に、宝くじは運の良い人に。

別の考え方も可能です。「自宅が燃えたら火災保険がもらえる」なら保険ですが、「隣村の村長宅が焼けたら火災保険がもらえる」という契約ならば宝くじです。