2019年に金融庁が公表した「老後資金2000万円問題」をきっかけに、リタイヤ後を見据えたマネープランについて考え直した方も多いかと思います。そこで、「介護が必要となったときのお金は、自分で工面できるのだろうか?」と不安を感じた人も少なくないでしょう。
では、実際に介護を必要とする人がいる世帯は、誰の収入や貯蓄で介護費用を支払っているのでしょうか。
今回は、厚生労働省の「令和元年(2019年) 国民生活基礎調査」の結果をもとに、介護を必要とする人がいる世帯の介護費用の出どころについてみていきます。さいごに「要支援」「要介護」の各段階の状態も、整理していきます。
年齢階級ごとにみた「介護費用の負担力」
先述の調査から、介護費用の負担力について、「介護を要する人」の年齢階級ごとに、見ていきます。
- ※介護を要する人がいる世帯数1万対
- ※介護を要する人が複数いる世帯の場合は「要介護の程度が高い方」に計上
40~64歳(359)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:208
- 年金・恩給の収入:148
- その他の収入:74
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:42
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:43
65~69歳(390)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:272
- 年金・恩給の収入:262
- その他の収入:43
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:50
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:20
70~74歳(735)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:522
- 年金・恩給の収入:512
- その他の収入:67
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:101
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:77
75~79歳(1406)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:985
- 年金・恩給の収入:967
- その他の収入:106
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:193
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:107
80~84歳(2160)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:1569
- 年金・恩給の収入:1555
- その他の収入:130
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:263
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:183
85~89歳(2496)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:1872
- 年金・恩給の収入:1860
- その他の収入:116
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:308
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:224
90歳以上(2454)
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:1992
- 年金・恩給の収入:1974
- その他の収入:181
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:387
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:277