さいごに
では、さいごに「要支援1、2」「要介護1~5」の各段階の状態についても整理しておきましょう。下記はいずれも「平均的な判定基準」です。心身の状態により判定結果の区分が違うこともありますので、あくまでも目安のひとつとしてお考えください。
まず、介護サービスの利用によって、心身の状態が改善される可能性が高いと判断される「要支援1,2」から。
要支援1
居室の掃除や身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とすることがある。
排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
要支援2
- 身だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
- 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
- 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
つづいて、「要介護1~5」です。
要介護1
ズボンの上げ下ろし、入浴動作などに介助が必要。(※)
1~4は要支援2と同じ。
5.問題行動や理解低下がみられることがある。
要介護2
排泄や入浴の一部またはすべてに介助が必要。
- 身だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話の全般に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。立歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とする
- 排泄や食事に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがある。
- 問題行動や理解低下がみられることがある。
要介護3
自力での立ち上がりや歩行が難しく、杖や歩行器を使用。入浴、排泄、着替えすべて介助が必要、認知症症状による介助が必要なことも。(※)
- 身だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話がひとりでできない
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作が自分ひとりでできない。
- 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分でできないことがある。
- 排泄が自分ひとりでできない。
- いくつかの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。
要介護4
移動には車いすが必要。認知症症状により徘徊や暴言がみられることも。(※)
- 身だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話がほとんどできない
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作がほとんどできない
- 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分ひとりではできない
- 排泄がほとんどできない
- 多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。
要介護5
ほとんど寝たきりで、会話も難しい状態。(※)
- 身だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話がほとんどできない
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作がほとんどできない
- 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分ひとりではできない
- 排泄や食事がほとんどできない
- 多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。
引用:「介護保険の利用-利用手続-申請から結果まで-要介護度別の状態区分」静岡市
参考:(※)「知らないと損するかも?何ができないと「要支援」「要介護」なのか」
【参考】
「国民生活基礎調査(2019年)」厚生労働省
「介護保険の利用-利用手続-申請から結果まで-要介護度別の状態区分」静岡市
「知らないと損するかも?何ができないと「要支援」「要介護」なのか」LIMO
池上 翠