2020年に厚生労働省が発表した「令和元年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.41歳、女性の平均寿命は87.45歳となり、過去最高を更新しました。
令和2年版厚生労働白書では、2040年に65歳である男性が90歳まで生きる確率は約4割、65歳である女性の約2割が100歳まで生きると予想しています。「人生100年時代」が身近になるなか、現在の70代の人はどの程度の貯蓄があるのでしょうか。
この記事では70代の貯蓄額と定年退職でどの程度退職金をもらっているのかを確認し、老後生活を送る中での注意点や上手なお金の使い方について解説します。
70代の貯金額はどのぐらい?
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」によると、70歳以上の平均貯蓄額は2253万円で、内訳は以下のようになっています。
- 通貨性預金:580万円
- 定期性預金:962万円
- 生命保険など:352万円
- 有価証券:347万円
- 金融機関外:11万円
2019年は「老後資金2000万円問題」が話題になりました。モデルとなる高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)では、月額約5万円が不足するので、老後を30年と考えると約2000万円の資金が必要という内容でした。
ただ、70歳以上の貯蓄額は平均で2253万円となっており、老後資金を用意できている世帯も多いといえます。
退職金はどの程度もらえるのか
老後資金として退職金をあてにしている人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」によると、退職者一人当たりの平均退職給付額は下記のようになっています(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
高校卒(現業職)
- 定年:1159万円
- 会社都合:1118万円
- 自己都合:686万円
- 早期優遇:1459万円
大卒・大学院卒(管理・事務・技術職)では2000万円前後の資金になりますので、老後資金として十分な額といえます。ただし、退職給付制度がある企業は、全体の80.5%です。また、転職などをしていると勤続年数により金額が異なるので、自分がどの程度の退職金をもらえるのかは、事前に確認しておくようにしましょう。
ゆとりある老後生活費は月額36.1万円
老後資金2000万円問題で話題になった金融審議会「高齢社会における資産形成・管理」の中にあるモデル世帯の実収入は約21万円、実支出は約26万円となっています。しかし、生命保険文化センターがおこなった意識調査では、ゆとりある老後生活費の平均は36.1万円となっています。
ゆとりある生活を送るには実収入から月額約10万円の不足となり、老後を30年と仮定すると
- 10万円×12カ月×30年=3,600万円
の資金が必要になることがわかります。
70歳以上の貯蓄額は2253万円ありましたので、日常生活には十分な額ですが、ゆとりある老後生活のための資金としては不足することが考えられます。
もしゆとりある生活を送りたいと考える場合は、70歳以上でも資産運用をしてお金に働いてもらうことも検討しておくことをおすすめします。。ただし現役時代と異なり、大きな損失をだすと取り戻すのは困難です。
株式などのリスク資産の割合は30%以下に抑え、安全度を高めた運用を心掛けるようにしましょう。
まとめにかえて
現在の70代は老後資金を賄えている世帯が多いことは分かりましたが、ゆとりある生活を送るには不足する方もいます。
平均寿命が延びている今は、健康でいることと同時に資産寿命を延ばすことも考えるようにしましょう。
