退職金の実態「3割が退職金0円」

ところで、そもそも退職金はどのくらい受け取れているのでしょうか。
第1項と同資料から退職金の実態を確認しておきましょう。

  • 回答者数…1万816人
  • 退職金平均金額…1517万7000円
  • 退職金中央値…1519万3000円

受取額の内訳

  • 3000万円以上…9.9%
  • 2500~3000万円未満…8.3%
  • 2000~2500万円未満…10.6%
  • 1500~2000万円未満…8.7%
  • 1000~1500万円未満…7.2%
  • 500~1000万円未満…7.8%
  • 500万円未満…15.5%
  • 退職金が0円だった人の割合…31.8%

内訳

  • 退職金制度がないと回答した人…25.5%
  • 制度があっても「退職金が出なかった」と回答した人…6.3%

このデータでは、平均値や中央値で算出されている退職金1500万円以上を受け取れている人は4割弱であるのに対し、退職金が0円だった人を含む退職金500万円未満の人は47.3%と約半数を占め、大きく二極化していることが分かります。

また、「制度があっても退職金が出なかった」という人も6.3%いることが分かりましたが、退職金は長い老後の生活を左右する重要な資金です。

日本人の多くに「お金の話しは聞きにくい」という感覚があると思いますが、勤め先の退職金については早い段階から確認・把握しておくことをお勧めします。

まとめにかえて

退職金の有無や金額には大きな格差があり、退職金はローン返済に充ててほとんど残らないという方も少なくありません。

まとまった退職金を受け取れた方は資産寿命を延ばすための運用を行うことが出来ますが、そうではない方は「退職金が思っていたほど受け取れなかった」と困る前に、退職金規定の確認と合わせて、退職金代わりになる資産運用を始めておくことも必要かもしれません。

参考資料

尾崎 絵実