シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「松屋」他を運営する松屋フーズHD(9887)の2020年11月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。

直近の月次実績

2020年12月1日に更新された松屋フーズHDの速報ベースの2020年11月既存店売上高は、対前年同月比91.0%。内訳は客数83.2%、客単価109.4%で、客数のマイナスを客単価のプラスでカバーできずにマイナス成長となりました。

また全店売上高も92.1%で、既存店・全店ともにマイナス成長となっています。

今期の既存店売上高の振り返り

では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は3月決算)。

既存店売上高については、前期は新型コロナウイルス問題が本格化した3月(94.8%)を除き全ての月でプラス成長を果たしました。それに対し、今期は11月まで全ての月でマイナス成長が継続。10月は対前年同月比97.1%とプラス成長回復目前になりましたが、11月は91.0%と再び数字が落ち込むことになりました。

全店売上高も既存店同様の推移を見せ、10月の対前年同月比98.3%から11月は92.1%とマイナス幅が拡大しています。

過去1年の株価動向

最後に同社の株価動向を見ていきましょう。

同社の株価は2019年7月から上昇が続き、2020年1月には5,130円の高値に到達しました。しかし反落し2月後半からの世界的な株価下落を背景に、3月13日には3,025円の安値を付けています。

その後はWボトムパターンを形成し7月の3,125円を付けた後に反発して、9月には一時3,800円を回復しました。現在は3,400〜3,500円前後で取引されています。

新型コロナウイルス問題の影響から、今期は既存店・全店ともにマイナス成長が続いています。10月にいったん回復の兆しを見せましたが、11月は再び落ち込むことになりました。今期どのタイミングでプラス成長を果たすのか注目されます。

松屋フーズホールディングスの過去1年の株価推移

参考資料:月次報告2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)

LIMO編集部