投資信託の購入とセットでないと享受できない大盤振る舞いの高金利

これを見たら、“何て魅力的なプランなんだ!”と喜ぶ人がいるのではないでしょうか。しかし、冷静に考えて下さい。この低金利下でそんなおいしい話があるでしょうか。

実は、この商品の内容には続きがあります。実際の商品説明は細かくて長いので、筆者が大枠だけザックリ説明すると、この信じられない高金利(税引前7.00%)を享受するためには、スーパー定期に預入する金額と同額以上の金額で投資信託(含むファンドラップ、以下同)を購入しなければならないのです。しかも、総額(=定期預金+投資信託)は500万円以上でなければなりません。

早い話、投資信託の“抱き合わせ販売”です。商品にあった「運用50タイプ」とは、50%以上を投資信託で運用するという意味だったのです。

再認識するべき「投資信託は元本保証のないリスク金融商品である」こと

言うまでもなく、投資信託は元本保証でないリスク金融商品です。一方で、販売手数料が高く、運用手数料も徴収できる投資信託は、金融機関の収益の柱の1つになっています。

特に、日銀がいわゆるマイナス金利を導入した2016年以降の超低金利時代の下、収益低迷に苦しむ金融機関にとって、投資信託の販売は必要不可欠なものとなりました。そのため、この事例だけでなく、どの金融機関も投資信託の販売を強化しています。

話を先ほどの商品に戻します。たとえば、支給された退職金が2,000万円とします。このうち半分の1,000万円を特別プランの高金利定期預金(年7.00%)に預入するためには、残りの1,000万円で投資信託を購入しなければなりません。確かに、3カ月後には137,539円(税引後)の利息を得られます。