新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最前線で働く医療従事者が、寝る間もないほどCOVID-19感染患者の手当てで大忙しの一方で、こうした一般患者の病院離れが顕著となり、最も儲かる手術や検査が半減してしまっているようです。これにより、多くの医療機関は経営困難に陥っているといわれています。また、コロナ禍で広まった「診察のオンライン化」が定着することで、患者の選択肢が広がり競争も激しくなっているようです。

フォーチュン誌では、同社が開催した今後の医療機関を議題にしたバーチャル会議の意見をまとめています。「コロナ禍でのこうした医療機関の困難は、今までの古い経営方針を改め、透明性の向上や医療費の軽減という消費者(患者)の要望に耳を傾け、より多くの人々が必要とする医療を提供していくことに集中するよう方向づけることになった」との意見があります(※3)

患者への治療や費用の透明性の向上、経済的な負担の軽減は個人的にはまだ実感していませんが、今後そうなることを願うところです。

あるアメリカの看護師が、毎日COVID-19で亡くなる患者を看取るなかで「医療費支払いの心配をしながら亡くなる人をみるのが、なにより辛かった」と話しているのをどこかで読みました。つくづく日本の医療保険制度は恵まれていると思う今日この頃です。

参考

(※1)CNN BUSINESS“Needless medical tests not only cost $200 billion, they can do harm”
(※2)Ray Moynihan, assistant professor, Minna Johansson, director, Alies Maybee, patient partner, Eddy Lang, professor, France Légaré, Canada research chair in shared decision making and knowledge translation
“Recovering health systems can prioritise genuine need” the bmj

(※3)FORTUNE “4 ways the coronavirus pandemic will change hospitals”

美紀 ブライト