エスカレートする善意

その後も、ママ友は会うたびに先生と呼ばれる店主がブログで語っていた内容をHさんにしつこく伝え、それらを実践しているかチェックするように。迷惑だと思いつつも、子供たちは今後も付き合い続けなければならないため、なるべく角がたたないように「最近はちょっと忙しくてできていない」と返事をしたそうです。

そんなHさんの意志を全くくみ取らないママ友は「忙しくてもできそうなもの見つけておいたよ」といってURLを送ってきたり、一緒にセミナーに参加しないかしつこく聞いてきたりと、以前のような「親切な人」の枠を明らかに超えた姿に豹変していったそうです。

「相変わらず言葉遣いはやさしいし、他のママさんたちにはそういったものを一切勧めている様子もないので、なかなか周囲に相談することもできなくて。主人も怪しいと思っているようで、彼女の話をするのを嫌がるようになってしまいました。息子の習い事にいくことがだんだんストレスになってしまったため、意を決して彼女に『本当に忙しいから、もうそういうものと関わる時間はないんでごめんなさい』と伝えました。すると、彼女はすごく驚いた顔をしていいました」

ハッキリと拒絶したHさんに対し、怒るというよりも静かな声で口を開いたママ友は「主婦なのに、家族のために頑張る時間が取れないなんてことあるのね」と本当に驚いた表情をしたそうです。

「カチンとしましたが『ここでグッと我慢すれば彼女との縁が切れるはず』と思い、悔しい気持ちを我慢した」というHさん。最初の頃親切にしてもらい、いろいろ教わったことはとても感謝しているそうですが、「先生」への妄信的ともいえる態度を見てからは、一歩間違えたら自分もああなってしまったのかもしれないという怖さを感じたそうです。