起業・独立時の「経歴の書き方」でトラブル?防ぐ方法を齋藤弁護士に聞いてみた

Creativa Images / shutterstock.com

コロナ禍で、多くの方々のキャリアに対する考え方が変わりました。エンワールド・ジャパンの調査では7割の方がキャリアや転職に対する考え方が変わったとも回答しています。また、「キャリア・転職への意識がどのように変化したか」という質問に対しては、約40%の方が「会社に依存した働き方の不安」と回答。このような世の中の変化もあることから、今後は副業・兼業、さらには独立・起業を行う方が増える傾向にあるのかもしれません。

続きを読む

今回は、独立・起業する際に多くの方が疑問に思うことを、齋藤弁護士の回答付きでご紹介します。

拡大する

「キャリア・転職意識の具体的な変化について」(出典:エンワールド・ジャパン)

起業・独立時のあるある

そんな中、「起業あるある」としてよく挙げられるのが、「会社員時代に担当したプロジェクトや実績を、独立後に使用・公表することは問題ないのか」という点です。例えば起業家のプロフィールによくあるのが、以下のようなものです。

〇〇株式会社 代表取締役CEO
××株式会社を経て、2019年に独立。〇〇株式会社を設立
これまで△△のプロジェクトで100億円規模のマーケティングを担当。

質問1:実際のプロジェクトは、1人ではなく複数人で行われているかと思うのですが、上記のような、あたかも自分だけの実績かのように表記することは法律的に問題ないのでしょうか?

齋藤弁護士の回答:法律的には問題ありません。事実に合致させる観点からは、どの程度の規模で何を担当していたのかを明記するのが望ましいかもしれません。実際のプロジェクトの構成員であった事実に逸脱しないのであれば、大きな問題があるとは思われません。

質問2:また、上記のようなプロフィールを見て仕事を依頼した側が、起業後の実績と勘違いしてしまうこともあるかと思います。これは虚偽の宣伝になるのでしょうか?

齋藤弁護士の回答:疑義があるのであれば、しっかりヒアリングを行った上で取引関係に至るべきでしょう。ただ、起業後の実績なのかどうかは、どの会社が担当した業務やプロジェクトにかかわる問題なのかが問題ですから、誤認が生じないよう、プロジェクトの担当主体は明記しておくべきでしょう。

質問3:××株式会社を経て独立。などと書くことで、もともと所属していた会社とトラブルになってしまうことなどもあるのでしょうか?

齋藤弁護士の回答:NDAといって、会社にかかわる事項を外部に漏らすことができないと会社側と合意形成している場合に特に問題になります。実際、これに違反すると債務不履行といって、契約違反になりえます。

質問4:起業・独立前の実績を公表する際は、どのようなことに気をつけると、トラブルが起こらないのでしょうか?

齋藤弁護士の回答:どの時点で、どの会社に帰属しているプロジェクトに、どんな立場において関与したのか。これを明確に表記しておくことが重要ではないでしょうか。

参考

「新型コロナ禍における「キャリア・転職」の意識変化について」エンワールド・ジャパン(株)
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:4,636名
調査実施期間:2020年5月19日~5月21日
回答者所属企業:外資系企業 48%、日系企業 52%

齋藤 健博

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
執筆者
齋藤 健博

東京弁護士会所属。2010年に慶應義塾大学総合政策学部卒業、2013年に慶應義塾大学法学部法律学科卒業、2015年に慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。ハラスメントや、浮気・不倫問題の解決に定評がある若手弁護士。自身のLINE IDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能。過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験もある。相談されることの多い、ハラスメントの線引きや残すべき証拠などをYouTUbeの動画でも解説している。YouTube動画:弁護士 齋藤健博チャンネル